1 問題提起

皆さん、社会保険労務士(=社労士)さんなどに、助成金の申請をお願いしたことはありませんでしょうか。

その場合、多くの方が、社労士さんから断られたということを聞いております。

そもそも、助成金のうち労働省管轄の助成金はほとんど、社労士さんしかその書類の作成ができないものです。

にもかかわらず、なぜやってもらえないのでしょうか。

2 理由

① 要件の複雑さ

実は、助成金は極めてたくさんの要件があります。

その為、相談者の企業がその要件に該当するのかすぐにわからないということがあります。

その結果、社労士さんが着手したものの、途中で要件を満たせないということが起こり得るのです。

その場合、その社労士さんは、その企業の方から非難されることになってしまいます。

そうでなくても、助成金が下りなかったのに、手続き費用をもらうことはかなり困難です。そうすると、その助成金について勉強し、書類も作成したのに、費用はもらえず、お客様からは怒られるということが起こり得るのです。

そのため、なかなかやりたがらないということがあります。

② 助成金の種類の多さ

①の要件は、助成金の種類によって異なります。そのため、せっかく勉強しても他の助成金にはその知識などは使えず、毎回勉強することになります。

それは、非常に、労力が大きいです。

長くやってキャリアがあればある社労士さんほど、このようなことをやりたがらないということになります。

③ 助成金の変更・廃止

助成金は、大抵の場合、要件が毎年変わっていきます。そのため、一度勉強しても、毎年毎年新たに勉強していく必要があります。

それは、かなり負担が大きいです。さらに、②のところでも説明したように種類も多いのでその覆い種類すべてについて勉強していく必要があります。

さらに、最悪な場合はその助成金の制度自体がなくなることも多くあります。その場合、勉強したことが全く無駄になってしまいます。

今は、自民党が政権を取り返したため多くの助成金がありますが、民進党が政権を取った際にはほとんど廃止されてしまったこともあります。そのように、政策によって全く内容が変わってしまうような助成金について勉強をしてくださいというのは実はかなり酷な話なのです。

④ 依頼主である企業の協力

助成金は、書類作成者である社労士だけで出してもらうことが困難です。

具体的には、どうしてもお客様に用意いただく書類や、してもらうことが発生します。

そのように、依頼主である企業の協力が無ければとても成し遂げられないことなのです。

にもかかわらず、依頼主である企業としては費用を支払っているのであるから、すべてやってもらえる等と思っていることがあります。

また、忙しいとかめんどくさいなどの理由から、協力を得られない場合もあります。

そうすると、せっかくすべての準備を整えても、助成金を得られないということがあります。

⑤ 依頼主の企業の要求・非難

上述の様に、お客様からの要求は比較的高いです。

また、助成金が出なかった場合に、お客様から非難を受ける可能性が有ります。

その為、どうしても二の足を踏んでしまうのです。

⑥ 費用

以上の理由から、助成金に対する作業の料金が、助成額の6割~4割ぐらいいただかないと、全く割に合わないことが多いのです。

しかしながら、それほど取られるのであれば、やりたくないという依頼主である企業も多く発生してしまいます。

 

以上の理由によって、助成金をやりたがる社労士さんはとても少ないのです。