はじめに

所定の条件を満たした事業主とはどのような者なのか

1 問題提起
前回、助成金を受けたい企業は、、
(1)対象となる労働者を、
(2)所定の条件を満たした事業主が
(2)キャリアップ計画書の認定を受けた後に、
(3)正社員等へ転換
(4)正社員として6ケ月の給与を支払う
(5)申請
する必要があります。
と記載し、(1)の点のみを解説しました。
今回は、(2)の部分を解説いたします。

2 所定の条件を満たした事業主とは
(1)制度の規定をする1
事業主は、有期雇用契約労働者を正社員に転換する制度を、労働協約または就労規則、その他これに準ずるものに規定している事業主である必要があります。
これについては、正社員に転換するまでに規定して、所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
(重要・注意) 提出して労働基準監督署の印鑑が押されて変換されますが、この書類は助成金申請の際に必要とされるので、必ず保管しておきましょう。
また、労働協約、就労規則等の規定の中に、他の書類に所定の書類(例えば、賃金規定等)に別に記載と記載されている場合は、それぞれそれらの規定も提出する必要があります。
ここで、労働協約とは、労働組合と事業主との間で結ばれた協約であり、両者の同意のもとに成立したものです。このため、当然ですが変更には両者(普通は、労働組合)の同意が必要になります。
他方、就労規則は、会社側が一方的に決めるものです。ただし、一度決めた後は、同労者の同意なく一方的に変更はできません。
次回に、就労規則の変更例、及び、注意事項を記載する予定です。

(2)有期労働者から正社員化などの転換について、対象となる労働者本人の同意を取ることとしている事業主であること。
つまり、一方的に転換等する場合はダメということです。

(3)転換日(正社員化した日)から前の6月の間、及び、転換日の後6月の間、その事業所(正社員化した社員がいる事業所)において、解雇、事業主都合の離職者を出していないこと。
なお、解雇については、別に記載する生産性要件にも関わります。
ここで、天災その他やむを得ない理由の場合、労働者の責めに帰すべき場合には、解雇・事業主都合の離職者を出していてもこの要件に該当できます(助成金の支給を受けることができます。)。
また、短期雇用特定被保険者、日雇労働被保険者の場合であっても、この要件に該当できます(助成金の支給を受けることができます。)。

(4)転換日(正社員化した日)から前の6月の間、及び、転換日の後6月の間、その事業所において、
① 特定受給資格者
の離職理由が
② 離職区分(1A:解雇(3年以上更新された非正規社員で雇止め通知なしを含む))
又は
③ 離職区分(3A事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職)
の人数を、転換日の雇用保険が適用される全労働者の人数で割って、6%を超えると支給されません。
ただし、特定受給資格が3人以下の場合には、この要件は6%を超えていてもこの要件に該当できます(支給を受けることができます。)。
ここで、特定受給資格者とは、通常3カ月失業保険が出ないのですが、すぐに支給される条件に該当する資格者ということになります。例えば、解雇や、解雇では無いものの事業主から辞めるように強く促されている場合には、実際上、解雇と同じになるため、このように規定されています。

(5)社会保険
転換日の後は社会保険に、当該正社員を加入させなければなりません。社会保険に入ることができない事業主である場合には、社会保険の適用要件を満たす労働条件で雇用している必要があります。

4 注意書き
本記事は、有期労働者を正社員にする(=転換)する場合を記載しております。
(有期労働者を無期労働者にする、無期労働者を正社員にする、派遣を正社員にするなどは、別途、特に特集を組んで記載する予定です。)