はじめに

労働基準監督署(労基署)の確認済み判子のある就業規則を紛失してしまったためにキャリアアップ助成金の下りないケースもあります。

 

問題提起

株式会社H社は、キャリアアップ助成金のうち正社員化による助成金の取得を検討していた。

このH社は、40人の有期雇用労働者を雇用しており、そのうち助成金がである最大数である20人を正社員化する計画であった。

この20人を、正社員化すれば最低でも57万円×20人=1140万円の支給がえられると考えていた。さらに、生産性要件が満たされれば、1440万円もらえる可能性もあった。

社長Iは、この資金をあてにして新工場の設立の頭金にする計画を立てていた。

担当者Jは、キャリアアップ計画書の提出し、その後、6月以上雇用した有期雇用労働者を正社員にした。

就業規則も、有期雇用から正社員にする規定を新設し、労働者側からも意見書をもらっていた。

そして労働基準監督署(労基署)の検印もしっかりと、正社員化する前にもらっていた。

しかし、担当者Jは労働基準監督署の検印を受けた書類を申請時までに紛失してしまった。

キャリアアップ助成金は一切下りなかった。

新工場の建設計画もお流れになってしまった。

 

なぜこのようなことになってしまったのだろうか?

前回、キャリアアップ助成金は、以下の要件が必要であると記載しました。

①キャリアアップ計画に基づく正社員化の制度を就業規則に記載する(就業規則要件1)。

②変更した就業規則については、労働者側の意見書(就業規則要件2)

③変更後の就業規則について、労働基準監督署(労基署)の検印(就業規則要件3)。

④就業規則の変更の日より後の日付で正社員化する(就業規則要件4)。

この際に、③の労基署から帰ってきた書類を保管しておいて、それを申請時に再提出する必要があるのです。

それがないと、助成金は下りないからです。

 

教訓

就業規則を適切に変更後、労働基準監督署の検印、をもらった書類はとても重要なので、しっかりと管理して保管しましょう。