<> コラム
監視カメラ②|特定技能 ビルクリーニング
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
監視カメラ②
ネットワーク方式ITV設備の構成機器
カメラの性能向上により、1920×1080のフルHD画質に対応した
製品が作られるようになり、従来のアナログ方式では情報伝達が困難となったため、
LANケーブルを用いた「ネットワーク方式」が普及しています。
多くのクライアントやデベロッパーは、
ITVカメラをネットワーク方式とするよう要求しており、
アナログカメラはあまり使われません。
ネットワーク方式では、200万画素を超える高画質な画像情報を
LANケーブルで伝送するのが大きな特徴です。
-
ネットワークカメラ
有効画素数200万画素を超える高画質カメラが使われています。
画像情報はLANケーブルによって伝送され、ネットワークレコーダーに情報が送られます。
カメラを駆動させる電源は「POE方式」と呼ばれる
「LANケーブルに電源を重畳する」方式で供給されるため、
カメラ個別への電源配線は不要なのが一般的です。
旋回カメラなど、モーターへの電源供給が必要なカメラでは、
カメラ個別に電源供給が必要な場合がありましたが、
POE方式では比較的大きな電力が送れるため、
旋回モーターが搭載されていても電源線が不要であることがほとんどです。
監視カメラとして必要な基本機能はアナログ方式とほぼ変わらず、
デイナイト兼用の撮影や、赤外LED対応のラインナップは変わりません。
音声信号を取得する為にはマイクが必要なこともアナログ方式と同じです。
エレベーター内部に監視カメラを設ける場合、
エレベーター会社が手配するカメラの情報を取得しますが、
ほぼ確実にアナログカメラが選定されます。
ネットワークカメラシステムを構築している場合、
アナログ情報をデジタルに変換する装置が必要になるため、
設計事は必ず電気工事で見込むようにすべきでしょう。
-
ネットワークレコーダー
ネットワークカメラを複数台接続して、同時録画が出来るレコーダーです。
パソコンを使用して監視する大規模用システムもありますが、
比較的小規模用であれば、パソコンを用いず、
ネットワークレコーダーのみで画像や音声信号を記録可能です。
H.264対応カメラの接続が可能で、フルHD画質で撮影されたデータを記録し、
ハードディスクに書き込みます。
高画質のデータ書き込みが行われるため、
ハードディスク容量は大きな製品がラインナップされており、
8~16TB以上の大容量ハードディスクが搭載可能です。
製品の仕様により、8台、16台、32台など、接続出来るカメラの台数が違ってきます。
カメラの台数が6台の計画で、32台接続可能なネットワークレコーダーを選定するのは
コストの無駄が多くなるため推奨されまません。
直近上位の8台仕様とするか、
将来用を見込んで16台仕様とするなど合理的な設計が望まれます。
録画した画像の閲覧や監視をする為のモニターは、アナログ方式と変わりません。
ITVカメラの設計手法
ITVカメラを計画する場合の注意点や、一般的な手法を紹介します。
-
監視カメラを設置すべき場所
監視カメラを設置する場合、その用途を十分計画し、
必要な場所に対して最小限の台数で配置しなければなりません。
カメラは消耗品であり、通常6~7年で故障が多発するので、リプレースが必要になります。
監視カメラを設置するのが推奨される場所は下記の通りです。
・エントランス・風除室
・受付・フロント・インフォメーション
・入金・両替機・ATMなど金銭を扱う場所
・駐車場・駐輪場
・エレベーター内部
・エスカレーター乗降部
・階段・エレベーター乗り場など上下動線
人同士が応対する場所は、トラブルが発生する恐れがあり、
事件や事故につながる恐れが高い場所です。金銭を扱う場所も同様で、
盗難に備えた監視は大変重要です。
駐車場や駐輪場は、同様に盗難・車上荒らしといった事件が発生し易い場所であり、
監視するのが望まれます。
金融機関のATMは、複数のカメラで監視することが強く求められます。
エレベーター内部は密室となる場所であり、犯罪が発生し易い場所であります。
エスカレーターは駆け上がりや駆け下がりなどで転倒事故が発生し易く、
警備員や管理人が直ぐに駆け付けられるように、上下の乗降口を監視するのが一般的です。
建物用途によって監視カメラの設置場所に違いは有りますが、
これら基本的な考え方はどの建物でも同様です。
更に「監視していること」を見せて犯罪抑制を図るのも効果的なため、
ダミーカメラなどを組み合わせている施設もあります。