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液面制御|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

液面制御

 水槽や液体容器の液面水位にポンプの発停制御や「満水」「減水」「渇水」警報の移報を行う制御方法です。水槽内部に電極棒やフロートスイッチを設置し、液面上昇と下降によって自動制御を行います。

受水槽内部に電極を設け、水位が下がると減水警報を出し、水位が上がると警報を停止するという単純な自動制御は、電極が水に浸かった本数による通電を利用しています。

水位検出は液面の波やバタつきによる「チャタリング」が発生する為、遅延タイマーを組み込んだ制御を行うのが良いと思います。

ポンプの運転と、満水・渇水を検出する水位検出は、別のフロートを用いたシステムとするのが基本であり、どちらを電気工事または機械工事で行うか、設計者同士の調整が欠かせません。

動力制御盤とは

 動力制御盤は、三相負荷に電源を供給するための盤であり、動力負荷を運転させる為の制御機器や装置を内蔵しています。排水ポンプの液面制御、換気ファンの発停・故障警報、制御装置への電源送りは、動力盤を拠点にして計画されています。

動力制御盤は、動力機器に電源を供給するだけでなく、盤面で操作をする運用が考えられます。配線コストを低減させ、制御を正確に行う為、出来る限り動力負荷に近い場所に動力制御盤を設置する計画が望まれます。動力制御盤は盤内部にタイマーやリレーの継電器類が内蔵される為、設定変更や動作試験を頻繫に行います。メンテナンススペースを十分に確保するように計画します。

動力制御盤は、運転操作員が容易に操作でき、負荷設備が目視出来る場所に設置するのを原則とします。手動操作を行う機器を制御する場合、動力制御盤の操作面から、動作させる対象の動力機器が目視出来る場所に盤を計画し、正常に動力機器が運転・停止されたかを確認出来る事が望まれます。

動力制御盤を目視可能な場所に設置

手元開閉器の計画

 動力制御盤から動力機器が目視出来ない場合は、動力機器の近くに手元開閉器を設置しなければなりません。手元開閉器を設置することで、電動機の点検中に誤って電源を投入されることによる感電事故を防止出来ます。内線規程にも電動機には手元開閉器を設置することが規定されています。しかし、動力機器の近くに制御盤を設けられれば、手元開閉器の機能を兼用出来る為、経済的な設計となります。

手元開閉器は、過電流事故や漏電事故から動力機器を保護する為の物では無く、電動機のメンテナンス時に使用する開閉器です。過電流や漏電でトリップしない、ノントリップ形の開閉器が選定されます。

屋外設置の電動機を計画する場合、手元開閉器は建物の外壁に設置することが多くなります。外壁に手元開閉器を支持固定する場合、外壁を損傷することによる漏水、ひび割れに注意しなければなりません。さらに、漏水事故を防止する為、手元開閉器の配線は外壁に埋め込むのを避け、露出配管によって施工すれば、漏水に対してより安全になります。

配線用遮断器の選定

 動力負荷を保護する配施用遮断器の設計は、電灯負荷と違い、始動電流を考慮します。電動機定格電流の直近上位で遮断器の機種を選定すると、始動電流によって回路が遮断されてしまう恐れがあります。

電動機の配線用遮断器を選定する場合、遮断器の動作特性を考慮し、始動電流が動作電流を下回る選定にすることが望まれます。さらに大容量の遮断器を選定するか、電動機の始動電流に対して限時特性を持った遮断器を選定します。

電動機を過負荷から保護する場合、動力制御盤内の遮断器二次側にサーマルリレーと呼ばれる熱動継電器を設けます。サーマルリレーは電動機の過負荷を検出する保護継電器であり、始動電流では動作せず、過負荷による過熱を検出して回路遮断します。電動機を保護する場合、短絡に対して配線用遮断器で保護し、過負荷に対してサーマルリレーで保護するのが一般的な計画となります。

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