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危険物取扱者②|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

危険物取扱者免状の取り扱い分類

危険物取扱者は、取り扱える危険物の種類として、第1類~第6類まで分類されています。

甲種危険物取扱者は全ての危険物を取り扱えますが、
乙種においてはその危険物の種類や性質に6種類に分類され、
該当する分類の危険物のみを取り扱える資格となります。

さらに、取り扱いの機会が多いとされる「第4類」の分野に限って
「丙種」という細分類が設けられています。

ガソリン・軽油・灯油・重油など、ガソリンスタンドの運営や、
発電機の燃料管理に特化した資格が設けられており、取り扱える措置が講じられています。

 

乙種第1類危険物取扱者

酸化性固体の取り扱いを行います。
酸化性固体は、物質内に大量の酸素を含んでいるため、
熱による分解で激しく燃焼する危険性があります。

加熱や衝撃によって燃焼しやすく、酸素を放出する性質があるので、
燃焼を助け、爆発的に燃え上がる性質があります。

「塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、
硝酸塩類、ヨウ素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類の酸化性固体」に限り、
第1類の危険物取扱者が取り扱えます。

 

乙種第2類危険物取扱者

可燃性固体の取り扱いを行います。
可燃性固体は、着火しやすく燃焼速度が高いという危険性があります。

加熱によって容易に着火し、激しく燃え上がるものもあるので、
火災予防の観点から「熱を避ける」必要があります。
マグネシウムは、燃焼実験が学校の授業でも行われており、危険物の燃焼を体験出来ます。

静電気や粉じんによる爆発の危険性もあるので、静電気の除去、
粉じんの除去を行わなければなりません。

「硫化リン、赤リン、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、引火性固体の可燃性固体」に限り、
第2類の危険物取扱者が取り扱えます。

 

乙種第3類危険物取扱者

自然発火性物質及び、禁水性物質の取り扱いを行います。

空気にさらされたり、水と接触することで発火したり、
可燃性ガスを発生させる危険性があります。

酸化性の固体や液体と接触すると、爆発する危険性があるので注意が必要です。
容器は十分に密閉し、空気に触れないように貯蔵するのが基本です。
火災が発生した場合は乾燥砂を充填して窒息消化を行います。

電気設備分野で用いられる第3類危険物では「NaS電池」と呼ばれる大型の蓄電池は、
ナトリウムと硫黄を主体としており「禁水」の管理をしなければなりません。

「カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、
黄リンの自然発火性物質及び禁水性物質」に限り、第3類の危険物取扱者が取り扱えます。

 

乙種第4類危険物取扱者

引火性液体の取り扱いを行います。

引火性液体は、引火性の蒸気を多量に発生させる危険性があるので、
火気や静電気で容易に引火します。
保管場所は十分な湿度を維持し、静電気が発生しないような対策が望まれます。
勢い良くタンク等に注入すると、流速によって静電気が発生することがあり危険です。

危険物取扱者資格の中でも、最も受験者数が多い分野で、
ガソリンスタンドなどのアルバイト勤務において、優遇されることが多い資格であります。

「ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類の引火性液体」に限り、
第4類の危険物取扱者が取り扱えます。

 

乙種第5類危険物取扱者

自己反応性物質の取り扱いを行います。
加熱によって自己反応を起こしやすく、
衝撃や摩擦によって爆発的に燃焼する恐れがあります。

分子内に酸素を含有しているため、着火すると積極的に燃焼が続き、
大きく燃え上がる特徴があります。

「有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、
ヒドロキシルアミンの自己反応性物質」に限り、第5類の危険物取扱者が取り扱えます。

 

乙種第6類危険物取扱者

酸化性液体の取り扱いを行います。
酸化性が強く、接触したものを強く腐食させます。可燃物と接触すると発火する恐れがあります。

「過塩素酸、過酸化水素、硝酸、ハロゲン間化合物合物の酸化性液体」に限り、第6類の危険物取扱者が取り扱えます。

 

危険物取扱者免状の交付

危険物取扱者免状は、試験に合格し、都道府県知事に申請することで交付を受けられます。
交付を受けた危険物取扱者免状は有効期限なく使用出来ますが、
写真の更新のみ10年に1度実施しなければなりません。

本籍や氏名が変更になった場合も、変更を申請して書き換えが求められるので注意が必要です。

保安講習

危険物の取り扱いに従事していなければ保安講習を受ける義務はないのですが、
危険物取り扱い施設で作業に従事する場合は、保安に関する講習を受ける義務が発生します。
取り扱い業務に従事した1年以内、以降は3年以内ごとに受講しなければなりません。

危険物取り扱い業務に従事していなくても、希望すれば講習を受けられます。

次回は危険物取扱者の試験について説明いたします。

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