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危険物取扱者③|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

出題される試験科目

どの分類の試験であっても、出題される試験科目は、ほぼ同一で
「危険物に関する法令」「物理学・化学」「危険物の性質・火災予防・消火方法」という
3つの科目に応じた試験問題が出題されます。

甲種は高度な出題がなされ、乙種、丙種の順に、より基礎的な出題がなされています。

 

  • 試験科目の一部免状

甲種危険物取扱者資格については試験科目の免除は存在せず、
全ての科目について受験する必要がありますが、
乙類、丙類の場合は一部科目の免除規定が存在します。

乙類にあっては、受験する類の他の類の免状を取得している場合
「危険物に関する法令」「物理学・化学」について全問免除出来ます。

「危険物の性質・火災予防・消火方法」のみ受験すれば良く、
問題数も10問のみ回答すれば良いため、試験時間も35分まで短縮されます。

 

さらに「1類」「5類」について、火薬類免状を取得している場合は
「危険物の性質・火災予防・消火方法」についても一部免除が適用され、
5問という問題数での試験が実施されます。

合格基準は60%以上の点数が必要なので、5問という問題数であれば、
3問以上の正答が求められます。

試験科目を免除することで、求められる正答数の比率が高くなり、
試験難易度がより高くなる可能性もあるので、
必ずしも免除を受けることが有利に働きません。

危険物取扱者試験の免除規定

危険物取扱者の受験資格

危険物取扱者の資格試験は、甲種のみ受験資格に制限があり、
乙種・丙種は受験資格の制限は無く、誰でも受験出来ます。

中学生や高校生でも受験出来、比較的難易度が低く、
化学に関する基礎知識を得られることから、資格試験の登竜門として人気となっています。

甲種危険物取扱者は受験のための資格条件があります。

 

・化学に関する学科または課程を修めて卒業

・化学に関する授業科目を15単位以上修得

・乙種危険物取扱者免状を取得し実務経験2年以上

・1類または6類、2類または4類、3類、5類の4種類の乙種危険物取扱者免状の交付

・化学に関する修士・博士の学位

 

以上、5つの項目のうちいずれかの条件を満たすことが定められています。

危険物取扱者資格の合格率

危険物取扱者の合格率は、甲種で30%前後、乙種では平均50%前後となっています。
数値だけを見ると、受験数の半数が合格するという、
比較的簡単な資格のように見受けられます。

乙種危険物取扱者の合格率は平均50%程度とされていますが、
これは1~6類の全ての合格率を平均しており、分類によって合格率が違っています。

4類を除く1・2・3・5・6類の合格率がそれぞれ70~80%であるのに対し、
人気の高い4類の合格率が40%程度であることから、
これを平均して「50%程度」という数値に落ち着いています。

 

第4類以外の分類で扱える危険物は、その用途が「化学工場」で使用するものであったり、
化学物品として運搬されるものがほとんどで、受験者の受験目的が明確であり、
十分な事前の学習を済ませて受験するのがほとんどであるため、
高い合格率を維持しているものと考えらます。

第4類はガソリンスタンドのアルバイトなどで優遇されやすい
「ガソリン」「軽油」「灯油」の取り扱いが出来る資格であり、
誰でも安価に受けられる国家資格ということもあり人気が高く、
受験者数が他の類と比較して著しく多いのが特徴です。

ガソリンや灯油の燃料の特性や、消火と燃焼の仕組みといった内容は、
化学の基礎を学べることもあって、学生の教育用としても価値があります。

授業の一環として学生に資格取得を推奨する専門学校などもあり、
教育現場に広く活用されていますが、
受講申請をしたものの全く勉強せずに受ける事例も多く、合格率が低くなっています。

 

  • 危険物取扱者の合格基準

危険物取扱者資格の合格基準は「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の3つについて、
60%以上の正答率でなければなりません。

科目の一部免徐した場合は、その免除分を除いて、60%以上の成績でなければなりません。
どれか一つの科目でも60%を下回った場合、不合格になります。

「火薬類免状を有する者」として試験を一部免除すると
「基礎的な物理学及び基礎的な化学」は4問
「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」は5問まで問題数が削られるので、
ここから60%以上の正答率としなければなりません。

問題数が減ることで、難易度が上がる可能性があるので、
一部免除を受けるかは慎重に判断すると良いと思います。

是非、挑戦してみてください。

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