どっちでヤルの?裁判管轄|契約の教科書(1)
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
契約の教科書(1)
裁判籍(管轄)について
弊所で使っている裁判管轄の条項の記載例(雛形・ひな形・記載例)は以下になります。
第〇条 (合意管轄裁判所) 本契約及び個別契約に起因し又は関連する一切の紛争については、訴額に応じて〇〇地方裁判所、又は、〇〇簡易裁判所所を第一審の専属管轄裁判所とする。 |
管轄の重要性
ここは、実は契約書について簡単にチェックできるところであるのですが、
一般に契約書尾最後にいつもついていることから、重要ではないと思っている方もいますが、
実は、かなり重要です。
チェックポイントは、
もし自分が、契約相手に文句を言いたくなった場合、
どこで裁判することになるかという観点で見てみてください。
裁判管轄は普通は、相手の住所を管轄する地方裁判所です。
それ自体は普通なのですが、逆に、相手がこちらを訴える際に、
それも相手の住所を管轄する裁判所の場合、かなり不公平です。
その場合は、合理的かつ、あなたが不利益を得ていることから
他の部分で譲歩をお願いしてもいいです。
ではでは、なぜ、
管轄が重要なのでしょうか?
それは、本当に裁判を訴えて、その後、裁判所での審理を進める状態を想像すればわかります。
もし、相手の住所を管轄する裁判所が遠ければ、弁護士に行ってもらうだけで、
交通費と1日分以上の日当を支払う必要が毎度毎度発生してしまうでしょう。
その相手の裁判所のあるところに事務所のある弁護士さんを使うとしても、
事情の説明や、打ち合わせなどのために、あなた自身が何度も足を運ばないとなりません。
時間的・経済的負担は実は大きいです。
そのために、勝てる訴訟も早々にあきらめる、
相手が有利な和解案に安易に乗っかるなどが起きることが十分に予想されます。
そのため、管轄は大事なのです。
関連情報
裁判管轄については裁判所のページ、裁判所の管轄区域をご参照ください。
契約書関連ページ
その他の契約関するページをまとめたものは↓ページです。
サルでもわかる契約!まとめ:契約書の教科書(契約書チェック・作成)
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