私たち終わりにしましょう!契約の終了・契約期間・契約期間満了・契約継続・契約更新・自動更新・合意更新|契約の教科書(4)

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

契約の教科書(4)私たち終わりにしましょう!
契約の終了・契約期間・契約期間満了・契約継続・契約更新・自動更新・合意更新|契約の教科書

契約の終了

契約解約を想定する各パターン

弊所の契約の終了のひな形・例文は以下になります。

第〇条 有効期間(契約を切ることも考えるバージョン)

1 本契約の有効期間は、締結日より1年間とする。

2 ただし、期間満了日の3月前から契約満了日までに、一方から契約を継続したい旨の通知を文章で他方にし、他方からも承諾する旨の通知を文章でした場合には、本契約はさらに1年間継続する。ここで継続したい旨の通知および承諾する旨の通知の文章は、FAX、E-mail等の手段であっててよいものとする。

3 契約満了日の後であっても、前項の継続したい旨の通知および承諾する旨の通知がなされた場合は、契約が終了した後であっても、本契約は継続したものとみなして、契約満了日に遡って効力を生し、契約満了日から1年間有効に継続する。。

 

第〇条 有効期間(契約を切られたくないバージョン)

1 本契約の有効期間は、締結日より1年間とする。

2 ただし、期間満了の3ヶ月前までに甲乙いずれからも本契約を継続しない旨の書面による申し出がないときは、本契約はさらに1年間継続し、以降も同様とする。

 

契約の終期の定め

前述のように、契約は状況の変化によって、契約締結時には
思ってもいない理由などで、契約終了したい時が必ず来ます。

そのため、通常は契約期間を決めておくのが普通です。

なお、万一、期間の定めをしていない契約の場合、
一方当事者が契約をやめたいといえば、その時から契約はなくなってしまいます。

契約の終期を定めておくというのは、その期間は少なくとも契約が続くという
保証と安心感を得るためにも、必要かつ重要なことなのです。

通用の契約は、1~2年程度の期間を定めることが普通です。
もちろん、5年後、10年後、2025年3月4日まで、など、
何かその期間続いてもらわなければならない契約であれば、
その日まで任意に決めることができます。

永遠に続く、解除が不可能な契約も一応有効ですが、
その内容によっては公序良俗に反すると判断されて、無効になる可能性も有ります。

継続条項

期間を決めても、その期日が来ても普通は契約関係を続けたいだろうと予想できる場合には、
通常は、
「契約の終了前〇カ月に文章等で通知が無い限り自動的に継続する。」
等の条項を付けるのが普通です。

この〇カ月前の部分は、
契約を終了されても許容範囲に抑えられると思われる期間を定めます。

通知については、文章でなくても、E-mail、電話、口頭でも構いませんが、
普通は、文章にすることが多いです。

手間を増やして更新がされないことの可能性を下げたり、
更新する際に最も、両方の負担を下げるために、このように定めます。

継続条項の規定についての注意

個人的には、この自動的に継続するという継続条項はあまり良いと思いません。

確かに、一見すると楽なのですが、
契約を切ると言い出しづらいなどの理由で、ずるずると続いてしまうため、
むしろ、期日を決めて、その前までに継続するとの合意がない限り終了するというような書き方の方がいいと思っています。

ただ、長く付き合いたいと強く思っているという場合、
逆にこちらが仕事を受ける立場の場合は、切られづらくするために、
自動継続条項が有利です。

他方、発注する立場などの場合は、自動継続条項は入れない方がいいと思います。

新たな方法

以上のように契約の自動更新はしない方がいいというスタンスだったのですが、
さらに、もっといい方法があるのかもと思っています。

契約の必要がなくなったら、自動的に契約はなくなるけど、
納得してそのまま取引等があるなら、そのままにしてもいい、
という場合も多くあろうかと思います。

第〇条 有効期間(契約を切ることも考えつつ継続も考え、かつ管理を楽にする方法のバージョン)

1 本契約の有効期間は、締結日より1年間とする。

2 ただし、契約満了日から1年間の間に、契約有効期間の本契約と同様の条件で取引を行った場合は、契約の満了の日まで遡って、なお本契約は1年間有効であるものとする。その後の更新についても同様とする。

この方法(契約条項の記載の仕方)の素晴らしいところは、
契約を切りたいときに、わざわざ契約をやめましょうという必要もなく、

契約を切りたいときには、そのまま一定期間、取引等をしなければ済むだけであることです。

そして、契約を更新したいときは、今度は逆に、単に従前の条件で取引を継続すればすむというだけなのです。

なお、1年のところは、もう少し長くすることも、
可能ですし、短くすることもできます。

こうすれば、契約書の管理担当として、一定の会社さんと2年程度取引がないということだけを確認すれば、
その契約は終わったということで対応が可能になり、契約書管理が楽になります。

新たな方法2

もうちょっと、いろいろ条件を付けたい場合は

(有効期間(契約を切らないことを前提に、かつ管理を楽にする方法のバージョン)

第〇条 本契約の有効期間は、締結日より1年間とする。ただし、一方から他方に書面により契約解除の申し入れがない場合には、なお従前の条件で継続されるものとする。

2 ただし、最後の取引から1年間取引がない場合には、最後の取引の終了から1年間をもって本契約は終了するものとする。

3 本条の規定にかかわらず、契約満了日から5年間の間に、契約有効期間の本契約と同様の条件で取引を行った場合は、契約の満了の日まで遡って、なお本契約は有効であったものとする。その後の更新についても同様とする。

 

契約書関連ページ

その他の契約関するページをまとめたものは↓ページです。
サルでもわかる契約!まとめ:契約書の教科書(契約書チェック・作成)

消費者庁の契約に関するページ

 © 行政書士 植村総合事務所 所長 行政書士 植村貴昭

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