二人だけのひ・み・つ!:守秘義務条項(NDA)
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
二人だけのひ・み・つ!:守秘義務条項(NDA)
以下は、弊所で使っている秘密保持条項の雛形・ひな形・記載例です。
(秘密保持) 第〇条 甲及び乙は、本取引の事実並びに本契約締結の前後を問わず、相手方から開示されたすべての情報(以下、秘密情報という。)を秘密に保持し、相手方の事前の書面による同意を得ない限り、第三者に開示又は漏洩してはならず、また本契約の履行の目的以外に使用してはならない。ただし、次の各号に該当するものはこの限りではない。 (1)開示を受けた際、既に公知であったもの、又は既に自己が保有していたことを証明できるもの (2)開示を受けた後、自己の責に帰すべき事由によらずに公知となったもの (3)正当な権限を有する第三者より守秘義務を伴わずに開示されたもの (4)相手方の秘密情報とは無関係に独自に開発したことを証明できるもの (5)法令、政府機関、裁判所の命令により開示が義務付けられたもの 2 甲及び乙はそれぞれ、相手方の秘密情報について返還を求められたとき又は本契約の履行が完了したときは、遅滞なく複写物を含めてこれを返還又は処分する。ただし、本契約書や本製品の保証に関する資料そのほか本契約に規定される自己の義務を履行又は確認するために必要な情報は保管することができる。 3 甲及び乙は、必要最小限の範囲で、秘密情報を自己の役員及び必要な従業員に開示することができる。ただし、その場合は、当該役員及び従業員に関しても(退職後も含む)、本契約に基づいて課せられた秘密保持義務と同等の義務を課すものとする。 4 乙が第〇条の規定により再委託先へ委託する場合、当該再委託先においても秘密保持義務を課す。 5 本条の秘密保持義務は、本契約終了後も5年間有効とする。 |
秘密保持条項とは?
秘密保持条項は、NDAとも言います。
契約に行く前に、この秘密保だけの契約を結ぶことも多いですが、
契約書に盛り込むことも普通になされています。
普通の契約ではあまり気にすることはなく、
上記のひな形をそのまま使えば、いいかと思います。
ただし、
秘密を守ることが特に重要な契約
は、より慎重に検討する必要があります。
その場合の検討事項は、
(1)秘密にしてほしい内容がしっかりと分かる必要があります。
すべてを秘密にしてくださいというのは、論理上無理だからです。
逆の言い方をすると、秘密にしなくてもいいものが分かる必要があります。
上記例では、1項の各号の記載で、秘密にする内容を絞り込んでいます。
後は、マル秘のマークがついている書類に限定するなども可能です。
(2)秘密にする期間をどう設定するか
永遠に秘密にして下さいというのは、秘密を開示する方はいいのかもしれませんが、
それを強制される方としてはとても負担が大きいです。
そのため、通常は期間を設定します。
永遠も不可能ではないですが、
(1)のように特定でき、かつ特に重要な一部でないと、守る方はきびしいかなと思います。
まあ、立場的に上であれば、全て秘密、期間は永遠とすることも可能ではあります。
ただ、個人的意見を言うと、それを飲む相手はかわいそうです。
(3)開示可能な範囲を明確にする
仕事では、社内の従業員は当然ですし、さらには、下請けや、専門家などに各種の情報を開示しなければならないことが普通です。
そのため、開示の可能な人の範囲などを記載する必要があります。
契約書関連ページ
その他の契約関するページをまとめたものは↓ページです。
サルでもわかる契約!まとめ:契約書の教科書(契約書チェック・作成)
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