なぜお願い通りにやってくれないの?:債務不履行・不完全履行による解除条項
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
なぜお願い通りにやってくれないの?:債務不履行・不完全履行による解除条項
解除条項には、相手が破産等した場合に備えた自動解除条項と、
相手が、債務不履行(契約どおりにやってくれない)、不完全履行(やってくれたけど足りない)よる解除があります。
ただ、いずれにしても、すぐに解除するべきではないことも多いです。
せっかく、契約したのですから、まずは、履行を求めるような条項を入れるべきです。
また、不履行などがあっても、相手にとって重要度は異なります。
例えば、普通の状況であれば、納入日が1日遅れたからといって、解除や損害賠償にするべきではないでしょう。
逆に、展覧会が1日しかなくてその日に届かなければ意味がないものであれば、1日の遅れも許されません
そのように、重要性によって、解除しない・損害賠償しない、するにしても、猶予を与えるなどの緩急をつけるべきです。
逆に特に重要な点の違反は、損害賠償を加重するなどするなどすべきです。
ここでは、債務不履行解除と不完全履行について説明します。
自動解除条項については↓参照
自動的に別れましょう!自動解除条項
以下は、弊所で使っている自動解除条項の雛形・ひながた・記載例です。
(解除) 第〇条 ポラリス又植村が次のいずれかに該当した場合は、契約通りの履行を書面又はその他の連絡手段により、まずは要求することとする。 ① 契約の不履行の場合 2 本条第1項の要求があった後、履行のための十分な期間が経過した後も履行がなされない場合には、相手方に書面をもって契約の解除をすることができる。 3 ただし、第〇条第〇項の規定は特に重要な規定であることから、その不履行又は不完全履行の場合には、ポラリスは直ちに契約を解除して、金 万円を損害賠償として支払うものとする 4 本条1項の場合には、ポラリス又は植村は、本条2項の契約の解除をせずに、本契約を維持しつつ生じた損害賠償のみを請求することができる。 |
せっかく、契約を始めたのですから、簡単に解除になることは不幸です。
また、この条項があっても裁判を経なければならないため、
できるだけ履行の機会を確保すべきです。
相手が契約の履行がない場合であっても、契約解除を望まない場合があります。
例えば、守秘義務契約などの条項の場合は許せないが、契約を解除してしまうと、契約全体がなくなってしまうことがあります。
その場合は、契約を維持しつつ、その一部の条項の違反などを追及する必要がある場合に、この条項を使います。
契約書関連ページ
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サルでもわかる契約!まとめ:契約書の教科書(契約書チェック・作成)
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