★サマージョブ(「特定活動告示12号」)ビザ
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
サマージョブとは
外国の大学に在籍する外国人が、その大学の長期休暇を利用し、
日本の受入機関のもとで報酬を受けて受入機関の業務に従事する制度です。
“サマージョブ”と名付けられていますが、夏季休暇以外でも利用可能です。
サマージョブビザ取得のための要件
①日本の受入機関の受入・指導体制が確保されていること
日本の受入機関の体制が完備されている必要があります。
受入機関の概要、日本人ではなく外国人を受け入れる理由、
受入後の業務内容や指導方法、カリキュラム等を、具体的に説明できなければなりません。
どんなに外国人が優秀でも、日本の受入機関がしっかりとしていなくては、
サマージョブビザは取得できません。
この要件は、インターンシップビザが、安価な外国人労働者の供給源として
悪用されるケースが多発していることから厳格に審査されます。
具体的に、受入体制、学生の指導方法や指導者の能力等を説明する必要があります。
また、受入機関の規模が小さいと、それだけで受入体制が不十分と判断されやすくなります。
②サマージョブが「学業の遂行及び将来の就業に資するもの」であること
これは、一般的な就労ビザ(ex「技術・人文知識・国際業務」)と同様の観点です。
原則、単純労働(清掃、工場労働、飲食店の接客等)はできません。
必要書類
1 在留資格変更許可申請書 1通
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
3 パスポート及び在留カード 提示
4 申請人の在学証明書 1通
5 身分を証する文書等(取次証明書,戸籍謄本等) 提示
6 申請人の休暇の期間を証する資料 1通
7 申請人が在籍する外国の大学と日本の受入機関との間で交わした契約書の写し 1通
8 申請人の日本での活動内容,期間,報酬等の待遇を記載した資料 1通
インターンシップビザとの違い
サマージョブビザと似た制度に、インターンシップビザがあります。
両者の違いは以下2点です。
①サマージョブは、大学の単位として認定される必要がない。
⇔インターンシップビザは、大学の単位として認定される必要がある。
②在留期間は最長3ヶ月
⇔インターンシップビザは、最長1年で通算2年まで可能。
この違いから、サマージョブの方が手軽に利用しやすい制度であるといえます。
もっとも、最近はビザ全般の審査が厳しくなっていますから、
上記の要件を満たすことをきちんと説明できなければなりません。
サマージョブビザ取得後
日本の受入機関で業務に従事することとなります。
受入機関においては、外国人は学生であっても労働者であることに変わりありませんから、
労働基準法や地域毎の最低賃金等、日本の法令を順守することが求められます。
サマージョブビザに限らず、ビザ申請は全般的に厳格になっている傾向にあります。
サマージョブビザの趣旨は外国の大学では経験できない企業の職務を経験させ、
より実践的な知識と経験を得て社会への適応性を磨く、というものであるため、
この趣旨に合致するサマージョブであることをきちんと説明できれば、許可が出るでしょう。
とはいえ、サマージョブビザの取得のためには細かいノウハウが必要になるため、
行政書士に相談することをお勧めします
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