「定住者」と「永住者」の違いとは? №2
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
「定住者」と「永住者」の違いとは? №2
「定住者(Long-Term)」の意味
外国の方ひとりひとりが有する個人的な事情を考慮して、
法務大臣が”在留期間を指定して”居住を認める者が「定住者」の在留資格を許可されます。
代表的なケースは、日系人、その配偶者や未成年の子供(未婚)などです。
英語では、「定住者」を”Long Term Resident”と言います。
つまり、長い(Long)、期間(Term)の条件付きで、在留が許されているにすぎません。
「永住者(Permanent)」の意味
他方で在留資格「永住者」は、「定住者」とは違い、基本的に在留期限に上限がありません。
英語では、「永住者」を、”Permanent Resident”といいます。
母国の国籍を持ちながら、一生(Permanent)日本に住む者、という意味合いと理解してください。
もし、日本人になりたい、というのであれば、「帰化許可申請」を行うことになります。
ちなみに「帰化」は英語で”Naturalization”といい、在留資格とはまったく別の概念です。
◆ 法律的なことを補足すると、現行の入国管理法では、法務省令(法第2条の2第3項等)に、 外国人が何年のあいだ日本に在留できるかという決まりが、在留資格ごとに記載されています。 その法務省令(出入国管理及び難民認定法施行規則)の第3条に、 「(入国管理)法2条の2第3項に規定する在留期間は、別表第二の上欄に掲げる在留資格に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。」とあります。 その別表第二によれば、在留資格「定住者」に認められる在留期間は、原則として、5年・3年・1年・6か月のどれかになる、ということになります。 一方で、在留資格「永住者」については、無期限、というように記載がなされています。 |
このように、「定住者」と「永住者」は、どちらも在留資格という点では一緒ですが、在留期間の有無からして、まったく違う概念です。
また、「永住者」については、そもそも従前から有する在留資格からの変更許可を前提とするものです。
つまり、新しくゼロから取得するものではなく、一定期間の日本での在留を、要件とするところにも特徴があります。
新しい「特定技能ビザ」との関係は?
外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案で新たに設ける在留資格のうち、一定技能が必要な業務に就く「特定技能1号」の資格で働く期間については、永住権取得要件の一つである「5年以上の国内就労」に算入しない方針を法務省が固めたことが7日分かった。 「在留の新資格、永住要件算入せず 法務省方針」中日新聞
上記報道にもあるように、永住権取得の要件の一つに、「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。」というものがあります。
この、但し書き部分には参入しない、というのが政府の方針のようです。
もっとも、これは「特定技能1号」の話ですので、「特定技能2号」とは別です。「特定技能2号」は、在留期限を撤廃するか、あるいは、長期滞在を予定した在留資格なので、日本での永住を考えている外国の方にとっては、とても良い制度となりそうです。
また記事を改めて、永住権取得の要件について説明したいと思います。
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