経営管理ビザ要件・費用・注意点(難民、技術・人文知識・国際業務からの変更):500万円は最低要件

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

経営管理ビザ要件・費用・注意点(難民、技術・人文知識・国際業務からの変更):500万円は最低要件

費用面などはこのページを参照ください。

要件 -概要-

経営管理ビザは、昔は、「投資経営ビザ」でしたが、
現在は「経営管理ビザ」です。

つまり、「投資」が抜けて、「管理」が増えています。
そのため、昔のように投資というだけでは今はビザの取得はできません。

逆に、管理が増えたため、必ずしも会社経営者である必要はなく、
プロの管理職(部長・課長)のような方であっても取得の可能性があるということになります。

(但し、経営者よりもさらに厳しく審査されることになります。)
経営管理ビザ

要件のまとめ

在留資格「経営・管理」の要件(出入国在留管理庁)

ビザの要件 -注意点1-

このビザを取得した場合にできることは、当然ですが、経営管理だけです。
会社の経営者・管理者ですから、基本的に「現場仕事」(単純労働)はできません。

当然ですが、コンビニ、建設現場、外食業、等でアルバイトもできません。
ただ、これらの業界でも、経営・管理的なことは可能です。
(もっとも、経営や管理は、基本的に片手間で行うようなことではないので、
 そのような、他のところで仕事をしているというのは、
ビザの更新の際などに不利に扱われる恐れがあります。)

ビザの要件 -注意点2-

経営管理ビザは、会社を経営したいという場合に取得するビザです。
事業を起こす、事業を継続させるために必要なビザということです。

そのため、例えば他のビザが出なくなった(例えば、難民、技術・人文知識・国際業務)から
他にビザの取得ができないかと考えて、取得するようなビザではないのです。

私たち行政書士が確かに書類を作って申請してあげることはできますが、
その成功の確率は低いのです。

本気で経営を考え、現実に経営の準備を始めている人が、
取得できるビザなのです。

ビザを取ってから経営を始めるというのでは、
入国審査官を説得できないのです。

ビザの要件 -注意点3-

会社設立の要件として、500万円以上の準備が必要です。
ただし、この500万円あるということは、最低の要件です。

よく、このビザを申請する方が、500万円用意すればいいのでしょう!?
って、いう方がいますが、最低が500万円用意することに過ぎないのです。

なお、500万円だけではなく、従業員を2名以上雇う(常勤)というのもあります。
(日本人、又は、身分系のビザを有する方である必要があります)

一応、いずれか一方を満たすで構わないのですが、
もちろん、両方を満たすとより許可がされる可能性が高まります。

そこまでいかなくても、常勤でなくても
短時間でも雇っている(雇う予定の)2名の名簿を出すことは有意義です。
(500万円があれば、常勤でなくてもアルバイトであっても要件は満たします。)

このことは、まったく雇うことができなくても、
会社が稼働させられない場合に、
雇用予定のリストでも同様です。

在留資格「経営・管理」の要件(出入国在留管理庁)の
要件を参照のこと

ビザの要件 -注意点4-

会社経営のための業務計画書や、取引先の予定等が必須です。
この部分を、我々に書いてほしいという方もおられますが、
残念ながら、

大変申し訳ありません、書けません。

社長ではないものが書けるものではないです。

もっとも、ある程度、書いていただく、口頭でも言っていただくということによって、
補助的にお手伝いすることは

もちろん、できます!

これに伴い、どうしたら経営管理ビザを取得できますか?
と聞かれますが、ビザを取得するだけの目的でのアドバイスはできません。

それに対する答えは、いつも同じですが

「この会社を誠実・確実に運営(経営)してください。
又は、会社を運営するにはどうするのがいいのか考えて下さい。
その結果、入管が会社を本当に経営する意思と実績(準備)があると判断すれば、
この経営管理ビザが取得できます。」

あとは、

 ・賃貸借などは、高いところ(広いところ)がいいです。できれば自社ビルがいいです。
 ・看板は、立派な方がいいでです。
 ・名刺も、Webページも、立派な方がいいです。
 ・資本金は、多ければ多いほどいいです。
 ・取引先は、大きい会社で、数が多いほどいいです。
 ・取引内容も、金額が大きく、何度もある方がいいです。
 ・取引の契約書(取引予定の契約書)も証拠となるのであった方がいいです。
 ・会社の設備、車、土地、許認可、すでにある(購入済み)の方がいいです。
 ・取引は、予定じゃなくて実際に取引済の方がいいです(法人成りの場合など)。
 ・不動産、車、在庫、なども既にあった方が当然いいです。

内装は、立派な方がいいです。
机やオフィス機器(パソコン、プリンタ、電話)は絶対に必要ですし、
ちゃんとあるべきです。
(人を雇う予定がある場合、雇っている場合はその人数分)

取引銀行がしっかりあるべきです。
(銀行口座の開設があり、そこを通じて、取引があるといろいろ証明が楽です。)

名刺も、しっかりあるべきです。
電気ガス水道インターネットの契約はないはずがないです。
NHKとの契約もあっていいです。

事務所の間取りも、しっかりあるべきです。
というか、提出の必要があります。

従業員の雇用契約があるべきです。

こちらに、協力者がいるのであれば、その人はしっかりした人の方がいいです。
(犯罪歴は当然なく、入管での問題・不許可が過去無く、
ある程度の額の年収があり・納税がされており、
その人が会社経営者であれば、その会社で多くの利益があり納税がしっかりしていること、等が、あった方がいいです。)

取引先との契約書(請求書、領収書)なども必要です。
まだ、取引がない場合は取引についての予定書などを相手の担当者に書いてもらったらよいです。
さらに、取引先に訪問する機会があれば、担当者さんとの2ショットと、
相手の会社の入り口などで相手の会社の規模間(会社の建物)などがわかる写真があるとよいです。

そのほかに、その仕事をするための設備(土地、建物)を購入していれば、
その領収書や、設置した写真と、設置場所の図面があるとよいです。
(というか、設備(土地・建物)が必須の事業の場合、これは絶対条件に近いです。)

飲食店や小売店であれば、これらの図面や、内装写真(陳列写真)、メニュー、仕入れの領収書、キャッシャーの写真なども必須です。
(飲食店で、料理人を雇うのであればその方の履歴書で料理人としての経歴の証明が必要です。)

これらは、ビザだけ取って実際に会社を経営をしないのではないかとの疑問を、
払拭する要素ですが、

そもそも、本気で経営するのであれば、
いずれも、別に難しい要素ではないです。

安くすませたいというのは当たり前ですが、
それを理由にビザが欲しいというのであれば、やはり、費用がかかって当たり前です。

ビザの申請の書類 -注意点5-

過去に、不許可になった事例について書かせていただきます。

① 独立した執務スペース
 仕事内容が、事務仕事である場合は全く問題ないのですが、
 仕事の内容が外食、工場、などの場合、執務スペースは、
 飲食店の客がいなくなった後の机等という場合があります。
 工場などでも、工場の片隅に置いてある机という場合があります。

 これだと、”独立”した質もスペースという要件を満たさないため、
  許可できないといわれて不許可されたことがあります。

 事務室を用意するか、ついたてなどを設置して、
 独立性を出す必要があります。

② 取締役の人数
 その会社は土地や許認可なども受けており、
 代表取締役については問題なく日本の経営管理ビザが出ておりました。

 今回は、4人目の取締役として中国人を呼ぼうとしていた事例でした。
 残念ながら不許可になってしまいました。

 その理由は、おそらく、この会社にこんなにたくさんの
 外国人取締役いらないでしょう、という入管の判断だったのだと思います。

ビザの申請の書類 -注意点6-

過去に、不許可になった事例について書かせていただきます。

基本的には、経営・管理ビザですので、取締役や管理職という立場であれば、
何人でもビザが出るように思います。

しかし、会社の規模などから、従業員2名なのに、
今いる社長に加えて、新しく1名の外国人の経営者を迎え入れるためのビザなどの場合は、
非常に難しいです。

入管の立場から見ると、経営というよりもその人を入国させたいから、
管理職にして入れるのじゃないの?ということになるからです。

大きな会社以外でなければ、経営管理で認められる外国人のビザは、
1名と考えた方がよさそうです。

もっとも、複数の外国人の経営者又は管理者が必要なことを、
ちゃんと説明できれば問題ないですが、普通は難しいですよね。

弊所で経営管理ビザを取得する際の費用

弊所で経営管理ビザを取得する場合の費用などについては下記のページをご参照ください。
経営管理ビザ

関連ページ

出入国在留管理庁の経営・管理のページ

 

 

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