クーリングオフ 基礎知識編 1:悪徳商法対策
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
基礎知識編では、基礎知識編の内容を始めます
基礎知識編(1)訴訟、勝訴、強制執行
まず、一番大事なこととして、日本は法治国家であり、民主主義国家です。
そのため、人の人権は最大限守ることになっております。
そのため、相手が望まなければ、
何かを強制的にやらせる、やらせない、お金を取る、契約を守らせる
などは、簡単にはできないのです。
つまり、どのような権力者(天皇、総理大臣)であっても、
強制はできないということになります。
もし、強制すると、日本国憲法で認めている財産権侵害や、人格権侵害、思想信条の自由など
各規定に違反することになるからです。
(この辺りを厳密にやるととても長いので、割愛し、簡単な結論にしてしまっております。)
では、どうやって契約書(=約束を)守らせるのでしょうか。
それは、法律に基づいてということになります。
法律に基づくためには、
通常裁判をへて、裁判官に法律に基づいて相手に強制等することになります。
つまり、日本においては、相手がどんなに悪いやつ、
どんなに誠意のないやつであっても
裁判をやって、
勝訴して、
それでも、守らなければ執行裁判所という裁判所に執行してもらうしかないのです。
とても大変ですが、国民一人一人の人権を最大限守りつつ、
約束を守らせるためには必要なことなのです。
そのため、裁判にはお金と時間がかかります。
どのぐらいかと申し上げると、裁判期間は最低でも半年、普通は1年から1年半かかります。
その上、そこで勝てても、上訴(控訴、上告)すれば、そこでも同じように時間がかかります。
裁判の費用は、裁判所に係る費用だけで、100万円の訴訟で1万円以下ですが、
3億円の訴訟なら100万円もかかってしまいます。
そして、それはごく一部です。
それに加えて、弁護士費用が掛かってしまいます。
数十万円から、数千万円までかかることが普通です。
したがって、人権を守るというのはコストがいろいろかかるということです。
ただ、逆に、裁判にもかからずに、
権力者が一方的に決められるよりは良いというのが、民主主義なのです。
このようなコストは嫌だということで、
昔は、やくざが介入して、この司法的な役割をしておりました。
約束したんだから支払いをしろと、暴力をちらつかせて強制したのです。
そっちの方が、安くて速かったのです。
ただ、暴力を使うぞと脅すような社会は、
適切ではないということで、現在では強く規制されています。
暴力団事態に対してはもちろんのこと、
それを利用した個人・企業に対してもいろいろな制約がかかっているようです。
特に、コンプライアンスを上場企業ではうるさく求められているのが、現状です。
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