言いつけは守っていますか?見せてもらいます!:検品条項

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

言いつけは守っていますか?見せてもらいます!:検品条項

以下は、弊所で使っている検品の条項例です。

(検品)
第〇条 ポラリスは、本件商品を第〇条で定められる納入場所所で受領したときは、受領後、〇営業日以内に本件商品の検査をしなければならない。 

2 前項の規定の検査の不適合は、微細なものについては、不合格としないものとするが、ポラリスはその改善について協議を求めることができる。

3 微細なものか否かについてが整わない場合は、ポラリス及び植村国際の両者が認める者(通常は専門家)にその判断をゆだねるものとする。そしてその判断には、ポラリス及び植村国際は従うものとする。専門家の選定方法としては、互いに候補者を同数だけ出していき、相手方が同意しする相手が出るまで続けるものとする。

(不適合商品の処理)
第〇条 前条の検査において、不良又は数量不足等の事態があったときには、ポラリスは植村国際に対し、直ちにFAXで通知をしなければならない。当該FAXを受けてた植村国際は直ちに(遅くとも1営業日以内)に受領のFAXをしなければならない。このFAXが無い場合には、ポラリスは植村国際の担当者(課長以上)に電話するものとする。この電話は録音・録画するものとする。

2 この場合植村国際は、植村国際の費用にて、不良品の回収及び代替品又は不足分の商品を直ちに納入場所に納入しなければならない。この場合の直ちには、在庫がある場合にはその在庫を優先的に納入するものとし、在庫が無い場合には、他の者に納入する予定の者であってもその在庫が入荷したら、その在庫を優先的に納入するものする。

何をもって不良品というのか、条件に満たないのか?については、売買契約の際に決めておくべきです。
いくらなの?どうやって払うの?売買契約の根本条項(継続的売買契約・単発の売買契約)|売買条項:契約の教科書

検品条項は、正直かなりデリケートな規定です。

期日が遅れるとか、製品の数が足りないという場合はたいして問題にならないのですが、
よくあるのは、製品に何らかの欠陥がある場合です。

しかも、何をもって欠陥というのかは、かなり微妙ですし、
その欠陥を見つけれれるのか、

見つけられるとしていつの時点で、ということが実は良く問題になります。

専門家による仲裁

第5項の規定は、いくらなの?どうやって払うの?売買契約の根本条項(継続的売買契約・単発の売買契約)|売買条項:契約の教科書の規定と基本的に同じ考えの規定です。
一見すると、互いに、自分の都合の良い専門家を上げると思いますが、すぐに、都合の良い専門家など尽きてしまうので、結果、相手の出してきた専門家の中で自分にも配慮してくれるという人を選ばざるを得なくなると思われるから、このような規定にしてあります。

このように、解釈の余地があるようなものの場合には、どこまで行っても契約書で完全に決めておくことはできないので、専門家の仲裁人に判断してもらうことがいいと思います。

検品条項はデリケート

この検品条項は契約不適合条項(詳しくはこのページ)とも密接に関係してきます。

ただし、この契約不適合条項はどちらかというと、検品でも見つけられない隠れた問題の際に、
適用されるものであり、検品で見つけられる程度の場合は、この検品条項で処理するのが普通です。

この検品で見つけられないような瑕疵については、瑕疵担保として、また別途規定しておく必要があります。
どう償うのでしょうか?:契約不適合責任(瑕疵担保)
ただ、検品でも見つけられないような瑕疵とはどこまでを言うのかは大変難しいです。
5年たって壊れるとかいうものは不良品なのか微妙です。もちろん、5年間の保証をしているような場合は別です。

何をもって不適合商品なのか

① 数の不足
② 間違った商品(パッケージの型番等)

であれば、非常に簡単ですが、中身を調べなければ分からない物などでは、
非常に難しいですし、

数が多い場合に、①の数と②商品の型番を見る以上の検品は現実に難しいです。

そのような、どこまでを検品時に調べるのかということを、
規定しておくべきです。

①と②以上の検品をするような場合(内容、性能等の検品)には、
必ず満たすべき内容、性能等を定めておくべきです。

契約書関連ページ

その他の契約関するページをまとめたものは↓ページです。
サルでもわかる契約!まとめ:契約書の教科書(契約書チェック・作成)

消費者庁の契約に関するページ

©行政書士 植村総合事務所 弁理士 植村総合事務所 所長弁理士・行政書士 植村貴昭

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