いくらなの?どうやって払うの?売買契約の根本条項(継続的売買契約・単発の売買契約)|売買条項:契約の教科書

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

いくらなの?どうやって払うの?売買契約の根本条項(継続的売買契約・単発の売買契約)|売買条項

1 既に目的物が決まっている場合(単発の売買契約)

(売買)
第〇条 ポラリスは、植村国際に下記の物品を、金○○円(税別、各経費・実費込み)で販売する。なお、物品の賞味期限は、納品時点において〇カ月以上のものとする。
 品番 A-201 20個

2 本条第1項の規定の物品の満たすべき性能は、ポラリスの保証条項の内容を最低限満たすものとし、後述する検品条項・瑕疵担保条項・債務不履行条項・損賠賠償条項を適用するものとする。

(別パターン 2 本条第1項の物品の満たすべき性能は、別紙1のとおりとし、後述する検品条項・瑕疵担保条項・債務不履行条項・損賠賠償条項を適用するものとする。)

3 植村国際は、本条第1項の代金として下記口座に、 年 月 日までに支払う。振込手数料は、ポラリスの負担とする。
 銀行名
 支店名
 口座番号
 口座名義人 

4 本条1項の物品は、 年 月 日に植村国際の下記住所において引き渡すものとする。ポラリスが輸送業者によって納品する場合は、輸送業者に依頼したときにメールにて発送伝票を植村国際に通知するものとする。
 住所 

5 前項の郵送が期日までに届かない場合、植村国際はその旨をメールで通知すものとし、そのメール(以下、単にメールと書いた場合は「電子メール」をいう。)を受け取ったポラリスは1営業日以内に受領の返事をメールでするものとする。この受領のメールが1営業日以内にされない場合には、植村国際はポラリスに電話して責任者(課長以上の役職者)にその旨を通知するものとする。なおこの電話については録音・録画し発注の証拠とするものとする。本項の通知場合、メールから5営業日以内に納品された場合には、適切に納品されたものとして取り扱う。      

物品の特定

1品物とか、1回限りの取引の場合の条項です。

必ず、物品を明確に、誰から見ても間違えないように指定すべきです。

さらに、特定物でない種類物(工業製品、農産品など)の場合、
その品質などに条件をつけたい場合には、これも同じく、明確に書くべきです。

満たすべき性能・機能

本条の2項の規定は、対象物品が満たすべき能力の基準を規定しております。
この規定は、条項中にも記載しておりますが、検品条項、瑕疵担保条項、債務不履行条項などにも密接に絡んでおります。
何をもって不良というのか、いつまで保証してもらうのかなど、合意できるものは規定しておくべきです。

その為、実は大変デリケートな規定です。
売主にしてみれば、後から、難癖をつけられたくない部分でもあります。

その為、このような規定の仕方ではなく、別紙などに、明確に列記してお互いに納得するようにすることもよいと思います。

また、保証の内容によって損害賠償などの制限も規定しておく方が売主にとって良いと思います。

別紙のひな形

別紙

1 満たすべき性能 

 物品の満たす条件は以下のとおりとする。 

  (1) ○○の食品安全基準を満たすものとする。
  (2) ○○の性能満たすものとする
  (3) 冷凍温度 何度以下を保ち、解凍がされたことのないものであること。
  (4) ○○国を経由した物でないこと
  (5) の間○○の性能を保持すること

2 制限

 (1)の規定を満たす年数は3年とする。
 (2)の規定を満たさないとしても、損害賠償の額は、受け取った金額を上限とする。

 

値段

値段についても、明確に記載してください。

この時、注意すべきは、税別なのか、税込みなのか、
その他の実費(送料とか)は含まれないのかです。

支払いの方法

支払いの方法・日時と、物品の納入方法(日時)を正確に決めるべきです。

振込手数料についても記載しておいた方がいいです。

以下のページも参考にしてください。
どっちが負担するの?振込手数料|契約の教科書(9)

受け取りの方法

どうやって、品物を受け取るのかなど物品の納入方法(日時を含む)を正確に決めるべきです

もちろん、納品を急いでいない場合などには、日時の指定は任意でいいです。

通常は、郵送業者を使うでしょうから、
その時にどうするかなどを決めるべきです。

また、絶対に遅れてほしくない場合などには、
遅れないようなケアなどをすべきです。

逆に、発送者にしてみても、
郵送業者などに頼んだものの、手違いなどで、届かない・遅れるなどのばあいにどうするかなど決めておくべきです。

1日でも遅れることができない場合などには、それに応じた対応、納期を決めるべきです。

また、その後の検品条項も必須だと思います。
言いつけは守っていますか?見せてもらいます!:検品条項

証拠の確保

本契約書の条項は、「課長以上」に、「録音・録画」という文言を付けて、相手にかなり強い履行の強制を付けています。
もっとも重要な条項であるからです。逆に、そこまで、納品の日時などに重要性がないという場合には、ここまでしないこともよいと思います。

録音・録画は、裁判の証拠にするぞという強い意志を相手に伝えるためですし、
実際に、裁判になればこの条項と、録音と録画については、かなり重要(致命的な)な証拠になると思われます。

 

2 本契約書は基本契約でその後詳細が決まる場合(継続的商品売買契約)

例えば、発注した場合などに所定の製品を納めてくれるような場合を想定しています。

(売買)
第〇条 ポラリスは、植村国際の求めに応じて取扱商品を販売するものとする。

2 本条第1項の規定の物品の満たすべき性能は、ポラリスの保証条項の内容を最低限満たすものとし、後述する検品条項・瑕疵担保条項・債務不履行条項・損賠賠償条項を適用するものとする。

(別パターン 2 本条第1項の物品の満たすべき性能は、別紙1のとおりとし、後述する検品条項・瑕疵担保条項・債務不履行条項・損賠賠償条項を適用するものとする。)

3 植村国際は、発注する製品についてメール(以下、単にメールと書いた場合は「電子メール」をいう。)にて、必要な物品の種類、数量、納期、納入場所を通知することで発注することができる。物品の代金については、別添したリストの料金とする。なお、別添したリストにない商品の場合にも、同様の割引率での販売とする。

4 前項のメールを受け取ったポラリスは1営業日以内に受領の返事をメールでするものとする。この受領のメールが1営業日以内にされない場合には、植村国際はポラリスに電話して責任者(課長以上の役職者)にその旨を通知するものとする。なおこの電話については録音・録画し発注の証拠とするものとする。ポラリスは、前項のメールを受け取った後、3営業日以内にその内容で販売ができるか否かについて、メールで返事を行うものとする。この返事がない場合、自動的にその内容にて契約が成立したものとする。

5 ポラリスは、本条第2項の通知の後3営業日以内であれば、条件の変更などを相談することができる。この変更について合理的な理由がある場合は、その合理的な条件へ相談ではなく変更を求める権利を有する。

6 ポラリスは、ポラリスが既に取り扱っている商品については、植村国債から本条第3項の発注された物品について販売を拒否するには、客観的に合理的な理由がなければその販売を拒否できない。

この条項は、本契約を締結したのち継続的に所定の製品を購入する場合を想定しております。

この契約をした場合については、別途支払いについての条項を記載します。
考え直すのも道です!売買の支払い!月末締めの翌月末払い|契約の教科書(8)

4項の内容は、↓ページなどを参考にしてください。
証拠を残しましょう:特に発注時の注意

また、このような契約の場合には、1の1品物よりも検品条項は特に重要になります。
言いつけは守っていますか?見せてもらいます!:検品条項

 

契約書関連ページ

その他の契約関するページをまとめたものは↓ページです。
サルでもわかる契約!まとめ:契約書の教科書(契約書チェック・作成)

消費者庁の契約に関するページ

 © 行政書士 植村総合事務所 所長 行政書士 植村貴昭

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