自動的に別れましょう!自動解除条項|契約の教科書
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
自動的に別れましょう!自動解除条項
通常の債務不履行の条項はこちらです。
なぜお願い通りにやってくれないの?:債務不履行・不完全履行による解除条項
以下は、弊所で使っている自動解除条項の雛形・ひながた・記載例です。
(期限の利益の喪失) 第〇条 ポラリス又植村が次のいずれかに該当した場合は、ポラリス又は植村は相手方に対する残債務の全額につき期限の利益を失い、直ちに全額を支払わなければならない。 ① その財産に対し差押え、仮差押え、仮処分若しくは、競売、強制執行などの処分を受けた場合、または租税の滞納処分を受けた場合。 ② 会社更生手続きの開始または破産の申し立てを受け、または自ら民事再生、会社更生の開始若しくは破産の申し立てをした場合。 ③ 自ら振り出したまたは引き受けた手形または小切手が不渡りとなった場合、または銀行取引停止処分を受けた場合。 ④ 営業の停止、廃止、会社の解散の決議を行った場合、または清算手続きに入った場合。 ⑤ 合併、営業権譲渡、重大な組織変更があった場合。 ⑥ 本契約を締結する際に提供された情報に重大な虚偽があった場合。 ⑦ 監督官庁から営業許可の取消、停止等の処分を受けた場合。 2 ポラリス又は植村が第1項に定める各号の一つにでも該当した場合は、相手方は何等の通知、催告を要することなく直ちに解除できるものとする。 |
自動解除条項とは、例えば破産したりしたら契約は解除するとの条項です。
これらがどれだけ役に立つか微妙なところですが、まあ、反社条項と同じく、
普通は入れますよねということで、入れておきましょう。
ただ、あんまり気にする必要はなく、定型文でいいと思います。
重要な場合とは?
ただ、たまにこの会社大丈夫かと思う会社と取引する場合は、
いろいろな場合を想定してその会社との取引形態をよく考えて、
この自動解除条項を作っておいた方がいいと思います。
本来は、そのような会社とは付き合うべきではないのですが、
社長案件とか、
その会社以外にその製品を作っていないとか、
長い付き合いで、危ないぐらいで切れないとか、
まあ社会人していたら、そういう場合もあろうかと思います。
その場合は、まさに契約書作成者の腕の見せ所です。
例えば、納品物の所有権は、入金があるまで留保するとか、
納品物から加工したものの所有権さえもこちらで留保するとか、
になろうかと思います。
本来は、そのような特殊な条項は、
契約書の最初の方の目立つところに入れておいて、
先方にも十分に理解してもらいたいところなのですが、
そういうところに入れると、100%揉めるので、
こっそり、定型文の自動解除条項に入れておくという手があります。
この自動解除条項は、あまりしっかりと見ないので、そうすることで、
スルーされる可能性があります。
卑怯な手ですので、上記のような特殊な事情が無い場合はやらない方がいいです。
このようなことをする相手がいた場合は、私は、やめましょうとお客様に伝えるのが普通です。
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