日本人の配偶者等|身分系ビザ

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

日本人の配偶者等

日本人と国際結婚した外国人(その日本人の配偶者)を日本へ呼び寄せるためのビザです。

このビザには、

① 日本人と結婚した外国人配偶者(国際結婚)
② 日本人の特別養子
③ 日本人の子として出生した者

3種類がありますが、普通は①なので、①について以下記載します。
(残留孤児などで③のケースを取り扱ったことがありますので、
 そのうちページを作る予定です。)

入国管理局では、配偶者ビザ申請した時点で下記のように振り分けられるようです。

【A】許可が相当な配偶者ビザ案件
【B】慎重な審査を要する配偶者ビザ案件
【C】明らかに不許可相当の配偶者ビザ案件
【D】資料の追完が必要な配偶者ビザ案件

【B】~【D】に振り分けられた場合の特に多い理由を下記にあげます。

1  対面での交際歴が短い
2  年齢差が大きい
3  言語に習熟していない
4  収入が少ない (納税していない)
5  交際が前婚に重なっている
6  お相手の家族にインターネット上でしか会ったことがない・紹介されていない

【B】の場合、一番の審査ポイントは、

 戸籍の上だけではなく、本当に結婚生活をしているのか、
  愛し合っているのか?
 経済力は十分か?

になります。
それぞれについて説明いたします。

本当の結婚か?

日本人同士の結婚の場合には、愛し合っていなくても、同居の意思が無くても、
役所に婚姻届けを提出すれば、問題なく結婚は成立します。
それが偽装婚だろうとなかろうと、役所は全く関与しません。

他方、国際結婚である、この配偶者ビザ取得について言えば、
そこが一番の重要ポイントです。

その為、付き合った経緯、期間、どのぐらい実際に対面で会ったのか、
どのぐらいの頻度で、どのような内容をやり取りしているかが、とても重要です。

 ●イチャイチャしている写真(日付入りが重要)
 ●イチャイチャしているLINE等のSNS

は、とても大事な資料になります。
交際期間中も含め、恥ずかしがらずに、たくさん出しましょう。
また、それぞれの両親や親族と対面時の写真、結婚式の写真なども重要な資料になります。

なぜ、入国管理局が配偶者ビザの審査に、なぜこの部分を厳しく確認するかというと、
この資格には就労制限がありません。
そのため、日本で就労を目的とした外国人には、最も都合のいい在留資格なのです。
現場の単純労働も可能ですし、風俗営業で働くことも可能です。
また、永住権を取るのも他の資格よりも容易な場合が多いのです。

そのために過去に不正取得が横行してしまい、
そのため配偶者ビザ取得には、入国管理局の審査が厳しくなったのです。

経済力について

収入要件も重要な要件です。
入国管理局としては、入国させたものの、2人そろって生活保護などになっては困る
という理由だと思います。

 ①の要件が満たされ 日本人又は外国人の配偶者の一方だけで、
  2人が生活するのに十分な収入がある場合は、
  他方の収入が無くても在留資格が認められると思います。

 ①の要件が微妙で疑義がある場合、それぞれの収入が十分かどうか厳しく審査する
  という観点になります。

必要書類は下記の通りとなります。

共通資料

1 在留資格証明書交付申請書
2 質問書
3 申請理由書

申請人(外国配偶者)に関する書類

1 顔写真(縦4cm×横3cm)2葉 申請前3か月以内に撮影
2 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書
3 パスポートの写し
4 履歴書
5 大学等の卒業証明書又は在学証明書
6 日本語能力を証明する資料

日本人配偶者に関する書類

1 パスポートの写し
2 身元保証書
3 戸籍謄本
4 世帯全員の記載のある住民票
5 婚姻届出受理証明書(戸籍謄本、住民票に配偶者の記載がない場合)
6 住民税の納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
7 在職証明書
8 給与明細書の写し
9 勤務先の会社案内

交際及び結婚の事実を裏付ける書類

1 スナップ写真
 (交際期間中結婚式、双方親族との食事会など、夫婦で写っており、
  容姿がはっきり確認できるものを10枚以上)
2 国際電話の通話記録が分かる資料
3 メール履歴が分かる資料

住居及び生計に関する書類

1 2人の新居の写真(外観、玄関、台所、リビング、寝室など)
2 新居の不動産賃貸借契約書の写し(所有の場合は登記事項証明書)
3 扶養者の預金通帳のコピー

※ 日本で発行される証明書は全て,発行日から3か月以内のもの
※ このほか申請後における審査の過程において,上記以外の資料を求める場合もあります。
  あらかじめご承知おき願います。

日本人の配偶者ビザ申請の審査ポイント

出入国管理庁HPはこちら

©行政書士 植村貴昭