コラム(各種情報)
第23回 著作権とは、人が創作的な活動によって生み出したものには、みな発生するもの。
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
著作権とは、人が創作的な活動によって生み出したものには、みな発生するもの。
植村のコラム23
前回は、知財は企業間戦争の道具という刺激的な言葉を使ってしまったので、
今回は、少し柔らかいお話をさせていただきたいです。
人が創作的な活動によって生み出したものについては、
基本的になんにでも著作権が発生すると考えられています。
そのため、どんなに短いお話でも、1秒で書いた絵でも著作権が発生します。
ただ、お話のタイトル(=本のタイトル)、曲のタイトル、芸名などには、
著作権が認められる可能性はかなり低いです。
あれあれあれ、なんで?と思われたと思います。
お話のタイトルと、曲のタイトル、芸名などは、かなり一生懸命になって考えたもので、
もしかしたら、お話等自体よりも多くの時間悩んだ可能性もあるのに、
著作権が発生しないのはおかしいと思われると思います。
正直そのあたりの説明は、実は論理的ではないのですが、
一般には五七五ぐらいの長さを要求しているのが現在の著作権の世界です。
判例も追従しております。
なぜなのか、いろいろな学者の先生がいろいろなことを言っていますが、
なかなか上手く説明ができないのです。
どうしてかというと、
著作権の発生原因は人間の人格権的なところから発生している
という立場を強調する先生は、どうしても短いものはだめというのは難しいです。
短くても人格の表れであると言われたら反論が難しいからです。
それならばと、認めてしまえばよいように思いますが、そうなってしまうと、
文章の中でそのお話の紹介や批判をしたいときにさえ、
そのタイトルをかけなくなってしまう可能性もあります。それって不便ですよね。
ということで、理論的な帰結というよりも実際な使い勝手という観点から、
曲のタイトルなどには著作権を発生させないということになっているのだと思います。
最近のライトノベルのように、おそろしく長いタイトルの本もあります。
その場合、うーんと、この過去の基準だと
タイトルであっても発生しちゃうんじゃないかなぁということになりますね。
どうするでしょうねぇ!?
解決策は、タイトル等には著作権は発生しないと
法律に明確に書いてしまうのがいいのじゃないかと思いますが。
著作権にはいろいろな利害関係者があります。
しかも、利害関係者のうち権利を守りたいという側に、
出版・放送等のマスコミ、文章などを発信する作家等がおりますので、
著作権者の権利を少しでも制限(減らす)することには極めて消極的な状態にあります。
従って、かなり難しいだろうなと判断されます。
その結果、実際に裁判にまでなって、
裁判官等が苦労して制限する論理を無理やり作り出していくということになりそうです。
先ほどのように、長い名前のライトノベルのタイトルについては、
著作権が発生しないという判決を書くんじゃないかなぁと思っております。
ただ、それって裁判所による事実上の立法で三権分立に反するのではないか、
という批判もあったりしています。
現実の世界って難しいですね。
さてさて、次は、記念すべき第24回(2年も書いてきたのですね)です。
次回は、コンピュータプログラムが著作物とされていることをお話ししたいです。
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