<> コラム

第11回「中国やばいぞ!!改 フランク三浦」

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

第11回「中国やばいぞ!!改 フランク三浦」

前回の配信からだいぶ時間が空きました。
元特許庁審査官:弁理士植村貴昭です。(行政書士もやっています)

このメールマガジンは、全て私及び弊社スタッフが直接お会いして、
お名刺を頂戴した方に配信させていただくものです。
できれば、できれば、迷惑メールに分類しないでいただけるとうれしいです。

さて、今回は11回目です。
前回、中国について書くと申し上げましたが、

株式会社日本電子新聞社代表取締役の小林司様から
フランク三浦事件についてのリクエストを頂きました。
(ありがとうございます。ネタに困ってるので非常に助かります。)

時事ネタに飛びつかないと、前もって書いておいて、
機械的に出していることがバレてしまうので、
ここは、ストックしているものを脇において、
急遽時事ネタに飛びつくことにします。
(なお、この話はネタなので、私が、記事をストックしているとは言っていません(笑))

 

さて、フランクミュラーと、フランク三浦の事件を検討します。

調べますと、
(1)「フランク三浦」という商標を、出願したところ、
特許庁はいったん登録にしたようです。

(2)それに怒ったフランクミュラー側が、
その登録は無効であるとの審判(=準裁判手続)を請求しました。

(3)その審判では、フランク三浦は無効にすると特許庁の判断がありました。

(4)今度は、その判断に怒ったフランク三浦が知財高裁という裁判所に持ち出した。
以上が経緯になります。

それで残念ながら、フランクミュラー側が負けてしまったということのようです。
(=特許庁が無効とした判断は誤りであるとの判断が裁判所であったということです。)

その理由は、
「フランクミュラー」と「フランク三浦」ではその見た目から出てくるイメージが全く異なる。したがって、たとえ、音にしたときに同じような音があっても、
需要者が区別できるので類似しないというものです(理由1)。

また、「フランクミュラー」と「フランク三浦」は値段があまりに違うので、
消費者は間違って買わないということです(理由2)。

その理由2は、ぶっちゃけて言うと、
フランクミュラーを買おうと思って数100万円用意している金持ちが、
数千円のフランク三浦を間違って買わないでしょ。

買えない貧乏人も、フランクミュラーだと思ってフランク三浦を買っている奴いないでしょ。
ということです。

フランクミュラーとフランク三浦

ちなみにですが、この理由2については、
今後この判断は状況によって反対の結論(無効との結論)となる可能性があります。

つまり、フランク三浦が今後、100万円の時計を出してしまった場合とか、
フランクミュラーのパロディであることが分かりづらいようにして
混同させる等のことをすれば、無効になる可能性があるのです。

さらに、今回の裁判はあくまで特許庁が「フランク三浦」を無効としたのは
間違いであるとの判断にすぎません。
こういった場合、特許庁の手続きとは全く別の不正競争防止法による裁判があり得ます。

この場合には、今回の裁判では判断しないとの判断されてしまった、
「フリーライド」や「ブランドの棄損」という部分までも含めて判断されてしまいます。
この場合、フランク三浦側が勝てるかというと微妙なものがあります。
野次馬の第三者としては、目が離せません(笑)

 

あと、フランクミュラーの所在地ですが、「イギリス領 バージン諸島・・・・」でした。
あれあれあれ!
ここってタックスヘブンで有名な諸島だなぁ・・・。
パナマ文書とかいうやつに関係する諸島だなぁ・・・・。
これ以上は、私は申し上げられません・・(笑)

またしても、またしても、超硬い話になってしまいました。
裁判の話は適当に書くと、他方面から突っ込みが入りますので、
固く書かざるを得ないのですよね・・。突っ込みがあると反省しない私も凹むのです。

 

次は、何にしようかなぁ・・。
うーんと、もうちょっと、本来の予定の中国のお話しようと思いましたが、
他の方からもリクエストを頂いたので、そちらのお話をさせていただきたいです。

あと、帝国データバンク様にて、1ヶ月に1回連載させていただいているのですが、
先日、第3回を発行していただきました。
その内容に興味がある方は、お教えください。

質問感想とか送ってくださるととても嬉しいです。

また、実は、税理士さん・社長さん向けに小冊子を作りました。
本来は有料なのですが、私のHP(polaris-ip.comと検索くださると出てきます)
からご請求していただいた方には、無料でお送りさせていただいております。
少しでも、ご興味がございましたら、申請してくださると嬉しいです。

さらに、FB(フェースブック)で友達になってくださると嬉しいです。
是非、ご申請いただけると嬉しいです。

―― 読者の皆さんへ知財の専門家としてアドバイス ――

今回みたいな例外もありますが、
通常の出願の場合、商標類似等の判断は実際の取引状況である
値段や、売り方等の現実の事情は無視されて判断されます。

その理由は、
日本は先願主義という先に出願した人が有利である主義を採用しているから、
審査段階では、使用の状況は分からないのが通常だからです。

―― その他 ――

前々回、霞が関ビルの地下にマクドナルドが入っていると書きましたが、
複数の関係者(お役人様を含む)から、お叱りを受けました。
去年末で閉店し、今は、バーガーキングになっているとのことでした・・・・

・・・反省なんかしないもん・・・

でも、もし、マクドナルドだと思って注文したら、バーガーキングだったので、
高くついたじゃないかという方おられましたら、
お知らせください。差額を補填させていただきます(笑)。

では、第12回をお楽しみにしてください。
また、今回も最後までお読み下さり、本当に有難うございます。

月2回程度の配信を予定しており、
購読いただく方に過度のご負担をかけないようにする予定です。

―― 編集後記 ――

ゴールデンウィークでした。
どっかに、嫁と息子を連れて行かなくてはなりませんでした・・・・・・・・。
辛かったです・・。

さて、気をとりなおしてですが、

最近、息子が歌います。
何を歌うかというと、
「バ~ニラ、バニラ、バーニラ・・・」
というやつです。
以下参考資料( ttps://www.youtube.com/watch?v=Tk6gQKqTLE0
(リンクに飛びたい方は、先頭にhをつけていってください
その場合、音量及び視聴の場所はよくよくお考えてリンクに飛んでください。
家庭内不和・職場内白眼視は当方は一切関知いたしません(笑)))

外でも、歌うので、父はとても恥ずかしいです。
父はこの歌に関するお店がどんなものかまった~く知りませんし、
行ったこともあ~りませんので、
全くわかりませんが、なぜか恥ずかしいです。

外でも困るが、家の中でもやめてください。息子よ。

嫁に、根も葉も、露ほどもない、全く怪しくない!
疑いをかけられて困るのだよ・・・

中小企業が知るべき知財戦略講座

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