クーリングオフ 基礎知識編 6-4:悪徳商法対策

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有
消費者契約法 全契約対象
消費者契約法の不当な勧誘、不実告知、過料契約、断定的判断の提供、不退去、退去妨害について

消費者契約法

最後の法律は、消費者契約法です。
この法律に違反した場合

(1)その契約を取り消すことができます。
(2)悪質な場合は、取り消すまでもなく無効にされます。

なお、取消と無効とは、ほとんど一緒ですが、
取消は、取り消す旨の意思表示を必要とされ、
無効は取り消す意思表示も必要なく、無効とされるという違いがあります。

この法律は要約すると、

不当な勧誘があると取消できる

ということです。

不当な勧誘として大きく分けると、誤認型困惑型の2つがあります。

誤認型は、以下の3つに更に分けられます。

 1.不実の告知(4条1国1号)
 2.断定的判断の提供(4条1項2号)
 3.故意による不利益事実の不告知(4条2項)

困惑型は、以下の2つに更に分けられます。

 4.不退去(4条3項1号)
 5.退去妨害または監禁(4条3項2号)

また、それとは別に、過量販売も入ります。

1.不実の告知

うそを言った場合です。

「フランス産」(国内産のワインなど)
「体の調子が良くなる」(薬事的な根拠が無い場合)
などの告知があった場合です。

積極的に嘘をいった場合が該当します。
ただし、当然ですが、それが真実な場合には全く問題ありません。

2.過料契約

普通の消費者がとても消費できないような量を販売した場合です。
100年分のトイレットペーパなどであれば、そういった事例に該当します。

3.断定的判断

「必ず値上がりします」
「必ず必要になります」
など根拠もないのに、
断定的な判断をしてそれを言って販売した場合に該当します。

4.不利益事実の不告知

知っているのに、

あえて消費者に不利益な事実を言わない場合が該当します。

例えば、大きなタワーマンションができることを知っていて、
日陰になることを告知しない場合です。
また、不動産の場合には、事故物件を告知しないというのも、
この不利益事実の不告知に近い考え方です。

5.不退去

昔で言うところの押し売りです。
ずっと玄関に上がり込まれて、帰りそうもなければ、
帰ってもらうために、買う人がほとんどではないでしょうか。

6.退去妨害

逆に、どこかから帰れないようにされてしまうと、
押し売りと同じように、勝手でも逃げようすると思います。
例えば、キャッチセールスなどがありえます。

7.改正

消費者契約法は一度改正がなされます(2019年6月15日施行)
また、2020年の民法改正にあわせて、更に改正される予定とのことです。
改正予定の内容は以下の内容になり、かなり範囲が広くなっております。

 詳細は、別に結弦として、下記の内容になっております。

    1.  3号 不安をあおる告知
       「進学、就職、結婚、生計その他の社会生活上の重要な事項」「容姿、体型その他の身体の特徴又は状況に関する重要な事項」については、社会生活上の経験が乏しいことから、不安をあおり、正当な理由がある場合でないのに、当該願望を実現させるために必要である旨を告げること。
    2.  4号 人間関係の濫用
       当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること。
    3.  5号 判断力の低下の不当な利用
       当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持 が困難となる旨を告げること。
    4.  6号 霊感等による知見を用いた告知
       当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。
    5.  7号・8号 契約締結前に債務の内容を実施等
       7号は、消費者が消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に消費者契約により負うこととなる義務内容の全部又は一部を実施した結果、実施前の原状回復を著しく困難にすること。
    6.  8号は、7号のほか、当該消費者が消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該事業者が当該消費者契約の締結を目指した事業活動を実施した場合において、正当な理由がある場合でないのに、当該事業活動が当該消費者のために特に実施したものである旨及び当該事業活動の実施により生じた損失の補償を請求する旨を告げること

8.対応

以上に該当する場合は、契約の取消が可能です。

その期間は

 ●  追認可能なときから 1年
 ●  契約から 5年

の早く訪れた方の期間になります。

ここで、追認ですが、
この追認可能なときとは、誤認をしたと気がついたとき、
困惑を出したとき等の取り消しの原因となる状況を出した時になります。

 ●  契約の取消可能な期間 = 1年

 と考えていただいていいです。

クーリングオフ基礎知識編6‐5はこちら

消費者庁の商取引法のページはこちら  ©行政書士 植村総合事務所 所長行政書士 植村貴明

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