著作者人格権とは(著作財産権との違い)

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

著作者人格権とは(著作財産権との違い)

著作に関する権利

1 著作権の構造

著作権を学ぶときに最も気を付けなければならないことは、

著作権= 著作財産権 + 著作者人格権

となっていることです。
つまり、著作権とは、
著作財産権とういう財産的な権利と、
著作者人格権という人格権的な権利の
2つからなっているのです。

2 著作隣接権

なお、別のところで記載しますが、著作権法の中には、
この2つの権利を含む著作権と、
この著作権とは別の、著作隣接権という権利について規定されています。

著作権法なのに変ですが、隣接ということで、お許しいただければと思います。

3 著作者人格権

さて、少しだけ話がそれましたが、
いよいよ、本格的に、著作者人格権を説明していきます。

著作者人格権は、以下の3つの権利からなります。

    • 公表権
    • 氏名表示権
    • 同一性保持権

です。なお、この中で最も重要な権利は、同一性保持権です。

4 同一性保持権とは

同一性保持権とは、著作物は、著作者が創作したとおりに利用・発表当されなければならない。
というものです。

明らかな誤記の修正(訂正)であっても、この権利に抵触しないと言い切れないぐらい厳格です。

過去の判例では、「、」(点)の使い方がよくないということで、修正しただけで裁判でこの権利をもとに敗訴した事例もあります。

5 氏名表示権とは

氏名表示権は、著作物を発表等される時には、著作者が誰だかも同時に表示されることを要求することができる権利です。

6 公表権とは

公表権とは、その著作物をいつ世に出す(公表する)のかを、決定する権利です。

7 例外

これらの権利には例外がありますが、それについては別の回に譲ります。

関連ページ

忘れられてもらいたいもの:死後の著作権者人格権

文化庁の著作者人格権を説明したページ
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