金魚電話ボックス事件:著作権成立の基準(著作権侵害となる場合の基準)|著作権重要裁判例

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

金魚電話ボックス事件:著作権成立の基準(著作権侵害となる場合の基準)|著作権重要判決

令和1(ネ)1735  著作権に基づく差止等請求控訴事件  著作権  民事訴訟 令和3年1月14日  大阪高等裁判所

創作的とは

当該判決のうち、他にも著作権関係で応用が利きそうな規範は以下の内容である。

著作物とは,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」をいうから(同法2条1項1号),ある表現物が著作物として同法上の保護を受けるためには,「思想又は感情を創作的に表現したもの」でなければならない。

第1に,思想又は感情自体ではなく「表現したもの」でなければならないということであり,第2に,「創作的に表現したもの」でなければならないということである。

そして,創作性があるといえるためには,当該表現に高い独創性があることまでは必要ないものの,創作者の何らかの個性が発揮されたものであることを要する。

表現がありふれたものである場合,当該表現は,創作者の個性が発揮されたものとはいえず,「創作的」な表現ということはできない

また,

ある思想ないしアイデアの表現方法がただ1つしか存在しない場合,あるいは,
1つでなくとも相当程度に限定されている場合には,

その思想ないしアイデアに基づく表現は,誰が表現しても同じか類似したものにならざるを得ないから,
当該表現には創作性を認め難い。

原告作品は,その外見が公衆電話ボックスに酷似したものであり,その点だけに着目すれば,ありふれた表現である。
そこで,これに水を満たし,金魚を泳がせるなどしたことにより,原告作品に創作性が認められるかが問題となる。

また、本判決は、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は商店街側の上告を退ける決定 をしたということなので判決は確定しております。

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