「外国人労働者受入れ」のための説明会を開催しました

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

新しい在留資格「特定技能」の説明と雇用のための心得

平成31年1月22日(火) 15:00 埼玉県大宮のパイオランドホテルにて、介護・建設・飲食業などの企業経営者・総務・人事担当の方を対象に、説明会を行いました。

本セミナーのポイント概説

入管法改正による皆さまへの嬉しいニュースとは?

外国の方は、基本的に日本で働くことを許されておらず、また、権利として持っていません。

あくまでも、入国管理局という行政機関によって、入国・就労の許可を得てから、来日”できる”ということになっています。

そして、今回の入管法改正により、「外国人を現場雇用できる新しいルート」が創設されました。

”新しいルート”ですから、つまり、これまでも、いくつかルート(ないしルール)があったということです。

例えば、これまでも、留学生の方々は、入国管理局から特別な許可(資格外活動許可)を得ることで、就労が可能となりますし、日本人と法律上結婚した外国の方は、現場で働くことが可能でした。

さらに、「技能実習生」ルートというものがありましたが、この(悪名高い)「技能実習制度」は、日本の現場で働いてもらって、そこで培った技能を、母国で活かしてもらおうとする、国際貢献の一環でした。

今回の「特定技能」ルートは、端的に言ってしまえば、この「技能実習」を修了し、いったん母国に帰った「元・特定技能生」の皆さんを再度、日本に呼んで、現場で貢献してもらおう、という(少し違和感のある)ルートです。


実際にどのような外国人を雇えるのか?

要件は2つです。
14業種の就労条件

① ある程度の日本語能力がある。

② 人材不足な14業種に関する即戦力になるチカラ(特定技能)がある。

さて、この14業種ですが、建設業・宿泊業・農業・漁業・外食業・介護業・造船業・航空業・ビルクリーニング業・自動車整備業・産業機械製造業・電子電気機器関連産業・素形材産業・飲食料品製造業を指します。

14業種は、国が決定した「人材不足」とされる業種です。今後の経済情勢によって、増減することが予想されます。

   ▲実際にこのような外国人を雇うこともできますが…

もっとも、留学生アルバイトの方へ期待するような能力とは一線を画しており、この「特定技能」と「日本語能力」を持っているかどうか、の測定をしなければならないということになります。

「特定技能・日本語能力」を測るテスト

① これから各省庁の主導で創設される「技能試験」

② 日本語能力検定試験又はそれに準ずる「日本語試験」

上記の2つのテストをパスすることで、日本に来て就労するための1要件を満たすということになります。

もっとも、上記のように「元・技能実習生」であれば、この2つの試験合格は不要という特則があります。

雇用プロセスで一番大切なこと

外国の方を雇用するためには、もちろん、特別な手続(在留資格取得手続)もありますが、それ以前に、求人募集と採用面接は欠かせません。

求人募集の方法は、人材紹介業者を利用する手もあれば、外国人技能実習生を雇っていた会社や、それら会社を統括していた監理団体にアプローチすることも考えられます。

ただ、何より、企業の代表者・担当者が、面と向かって、実際に会って日本語で話すことが大切です。

日本語で質問し、日本語で答えさせる。やる気・元気を、とくに重視する。つまり、自分や社員の方と仲良く仕事ができるかを見極める。これは、試験ではわかりません。

いずれにせよ、外国の方を雇うとき、最初のうちは、一国に絞るのが良いと思います。もし、たとえば、複数の国、ベトナムと中国とフィリピンと・・・という具合に雇ったとしても、それぞれの国の文化が違えば、外国人同士でも外国人同士ですから、いろいろとぶつかって非常にケアが難しいという現状があるからです 。

▲ このなかで一番大切なのは、採用面接と雇用契約です。

また、もちろん国によって、文化も違えば、価値観も違うわけで、相手の国の事情を尊重しなければ、人材として活躍させることは難しい。であれば、皆様が1番しっくりくる国を、ご自身で足を運んで確認する、というのが長期的に見て一番効率が良いのです。

さらに、外国の方は、いわば「出稼ぎ」に来ているわけです。自分の家族を置いて、ここまで来ている。

その国の平均年齢は何歳か?20代や30代の国だって、東南アジアにはありますし、そんな若者が、母国に面倒をみなければならない大切な家族がいる。何人いるのか?子供はいるのか?日本での賃金が、相手の国でどれくらいの価値を持つのか。

そのことを、忘れてしまうと、どうしても、「外国人労働者」という抽象的な全体的な単位でしか見れなくなる恐れがあります。抽象的というのは、「モノ」としてみることとさして変わりありません。

そうするとですよ?会社のイメージはどうなるでしょうか。いくら給料がほしいからと言っても、転職してしまうかもしれない。口コミが広がって、向こうから願い下げだということもあるかもしれません。

結局、誰も入りたくない会社のレッテルが貼られて、会社の経営はいっこうに伸びない。かならず、皆様と外国の方々双方が、プラスになる関係を作っていかなければなりません。

とにかくステップ通じて重要なのは、「どんな会社だったら外国の方は入りたいか」「どのような外国人だったら、わが社は雇用したいか」を具体的に検討することです。


弊所代表が理事を務める植村総合事務所は、今後、法改正に伴う新しい制度について、情報収集に努め、皆様になるべく早くお知らせできればと考えております。

また、近日中に第2回目のセミナーを行いますので、是非ご参加いただければと思います

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©行政書士 植村総合事務所 代表行政書士 植村貴昭