技術・人文知識・国際業務 ビザとは

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

技術・人文知識・国際業務

 いずれも、大卒等の学歴や、一定の実務経験のある者が、
その修得した知識・技術を企業等で活かして働くことが求められています。
つまり一般的にいう「ホワイトカラー」の職種での雇用形態となり、
基本的に、工場労働、現場労働など「ブルーカラー」では就労させることはできません。
技術・人文知識・国際業務ビザ

①「技術」カテゴリー

「技術」カテゴリーに属するのは、主に理系と称される職種で
機械国学や情報工学の技術・知識を必要とする
システムエンジニア、プログラマー等である。

4年制の大学(外国の大学でも可)を卒業して「学士」を取得するか、
日本国内において専修学校を卒業し「専門士」の称号を付与されることが通常必要となる。

②「人文知識」カテゴリー

主に文系と称される職種で
人文科学や社会科学の分野に属する知識を必要とする業務のことを指します。
具体的な該当職種は営業、企画、事務職、専門コンサルタント等である。

4年制の大学(外国の大学でも可)を卒業して「学士」を取得するか、
日本国内において専修学校を卒業し「専門士」の称号を付与されることが通常必要となる。

又は、10年の実務経験が必要とされます。

③「国際業務」カテゴリー

 主に外国人特有の思考や感受性を発揮するような職種 。
(翻訳・通訳、語学指導、海外取引業務、広報、宣伝、デザイナー等) である。
学歴要件は問いませんが、3年以上の実務経験が必要である。

翻訳・通訳業務の場合、関係する専攻の大学卒業であれば 実務要件は不要となる。

国際業務についてのちょっとした注意点1(単なる大学卒)

①の技術及び②の人文知識と、この③の国際業務は、
一つの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格のカテゴリー中ですが、
その要件が異なっています。

ただし、この国際業務の要件には、大学卒業であれば 実務要件は不要と条文上記載されています。
ただの大卒の場合は、翻訳通訳をする場合は「国際業務」に該当するとして、
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が許可されることになります。

国際業務についてのちょっとした注意点2(国際業務を専攻する大卒、日本の専門学校卒)

しかし、入管の基準では、これらの業務を専攻して大学や日本の専門学校が国際業務に関する業務をやる場合には、
②の「人文知識」として判断するとしています。

この規定、正直よくわからなかったのですが、
大卒者を2つのカテゴリにーに分けています。

① 大学等で翻訳通釈等の科目を専攻した場合は
② 大学等で翻訳通訳等の科目を専攻していない場合

です。①の場合は1号(人文知識)での申請を要求しております。
他方、②の場合は、2号(国際業務)での申請を要求しております。

行おうとする活動が第2号イに列挙されている「翻訳,通訳,語学の指導,広報,宣伝又は海外取引業務,服飾若しくは室内装飾に係るデザイン,商品開発その他これらに類似する業務に従事する」場合であっても,大学等において,これらの業務に従事するのに必要な科目を専攻し,卒業したもの又は本邦の専門学校を修了し,専門士の称号を得たものである場合は,第1号が適用される。

審査要領(12編、15-11)より引用

大卒の場合は、この規定は本人にはあまり意味がありませんが、
日本の専門学校卒(専門士)の場合は、この基準は大変重要です。

法律では認められていないにも関わらず、専門士が3年の経験なく国際業務で就職できることを意味しているからです。

専門士の場合は、専門学校での専攻(履修授業等)を慎重に調べる必要があります。

国際業務についてのちょっとした注意点3(高度専門職)

技術・人文知識の場合は、高度専門職となれるポイントがある場合は、高度専門職に変えることが可能です。

しかし、国際業務には高度専門職がありません
その点、注意が必要です。

言い方は悪いのですが、日本としては、通訳翻訳ではたとえ高度の能力があっても外国人はそこまで、
必要としていないという政策的な判断なのだと思います。

必要書類

技術・人文知識・国際業務に関するQ&A

Question

日本の就労ビザの更新についてご依頼を検討しており、連絡いたしました。
私の婚約者(中国人)は、日本の技術・人文知識・国際業務においてビザを取得し、近々ビザの更新が必要となります。

現在は大手企業で就労をしており、問題となることはないかと思うのですが、
一時(半年くらい)会社を辞め、会社役員として活動していた時期がございました。

活動内容が異なっている場合ビザ更新の障壁にならないか、
スムーズに進めるにはどのように対策する必要があるかお教えください。

Answer
一般に、技術・人文知識・国際業務(以下、「技人国」と記載します。)の場合、
現場の労働(現場での肉体労働)でない広範な活動が認められております。
 
そのため、役員として行っていることが、技術的な知識や、人文知識等を大いに必要とするものであれば、
(通常は、このような知識を必要とする該当すると思われます。役員と言いながら実は配達ばかりとかでない限り)
技人国のビザの範囲内であることが多いです。
 
もちろん、本来的には経営管理のビザが好ましいことは、その通りですが、大きな問題はないと思います。
 
ただ、今回の更新はお考えのように、普通に更新ができない可能性もあり、
特段の手当て対応が必要だと思われます。
 
例えば、会社を辞めた時や、復職した時に届け出を忘れているような場合には、大きな問題が生じます。
 
また、言うまでもないですが、
更新の際には、役員の時に技人国の活動をしていたことも
説明(証明)する書類を用意した方がいいと思われます。

 

関連ページ

技術・人文知識・国際業務についての入管のページ