新型コロナウイルスの影響により解雇、雇止め、自宅待機等となった方の救済措置
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
新型コロナウイルスの影響により
解雇、雇止め、自宅待機等となった方の救済措置
新型コロナウイルスが生活に大きな影響を与えています。
在留外国人の方も影響を受けているのではないかと思われます。
弊所にも、“コロナの影響で会社を解雇されてしまったのだが
引き続き日本に在留できるのか?”という相談が多く寄せられています。
2020年5月19日現在、出入国在留管理庁において、
解雇された方の救済措置がとられています。
新型コロナウイルスにより働いている会社から
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- 解雇又は雇止めの通知を受けた方で就職活動を希望する方
- 待機を命じられた方で復職を希望する方
- 勤務日数・勤務時間の短縮を命じられた方で,引き続き稼働を希望する方
- その他上記(1)ないし(3)に準ずる方
このような方を、事業者様が雇用する(雇う)ことも、可能です。
注:2021年8月12日現在、この措置は継続中です。
【救済措置】
①在留期間が残っている方
上記の1~4の方は,現に有する在留資格のまま在留(技術・人文知識・国際業務など)が認められます。
必要書類
「雇用先企業の都合により当該状況にあることを証する文書」
資格外活動(アルバイト・現場労働可能)の許可も可能です。
資格外活動期間は,許可の日から6か月又は現に有する在留期間の満了日のいずれか一方で,
先に到来する日となります。
②在留期間が満了する方
上記 1~4の状態のまま在留期間を迎える方については,
就職活動を目的とする「特定活動」への在留資格の変更が認められます。
この場合も必要書類は①と同様、
「雇用先企業の都合により当該状況にあることを証する文書」になります。
資格外活動についても①と同様になります。
許可の日から6か月又は現に有する在留期間の満了日のいずれか一方で,先に到来する日となります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う雇用悪化の影響が継続している場合は
さらに在留期間の更新(6か月)、資格外活動の許可も可能です。
本来、就職活動を目的とする「特定活動」の在留資格は、
「留学」の在留資格で在留し大学や専門学校を卒業した留学生にしか認められないのですが、
これをコロナにより解雇された外国人労働者にも適用することにより救済を図る制度です。
もっとも、在留期限が到来する時点で,残りの待機期間が1か月を超えない場合や、
勤務時間短縮により稼働している方について,勤務時間が待機時間を上回っている方の場合は,
現に有する在留資格のまま在留期間の更新が可能です。
この場合,原則として在留期間は「1年」が決定されます。
【書類の準備】
「雇用先企業の都合により当該状況にあることを証する文書」とは
・退職証明書
・雇用保険被保険者資格喪失届確認通知書&離職票
などとなります。
ただし、これらに、事業主都合での退職と書いていない場合
(その場合が多い)
には、ハローワークに行ってその旨申し立て、
メール等での退職勧告といえるような内容を証明する書類等が必要となります。
そのため、証拠を用意する必要があります。
【留意点】
救済措置①②に共通して、所定の手続きが必要となる場合があります。以下2点にご留意ください。
(1)就職活動又は待機期間による「特定活動」で在留する方が,
復職等することとなった場合は,速やかに在留資格の変更許可申請を行ってください。
(2)待機期間中又は勤務短縮期間中の方が資格外活動許可申請を行う場合は,
受入れ機関から資格外活動を行うことについての同意を得てください
(同意を得ていることを申請時に申し出てください。)。
【資格外活動許可】
資格外活動許可も認められるとのことです。
つまり、アルバイト(現場労働)が可能とのことです。
就労時間の制限がありえます。
次の就職先が見つかるまでの支援措置なので、
最低限の生活費が稼げればいいということのようなので、
週28時間以内となるようです。
【まとめ】
新型コロナウイルスは在留外国人やビザ申請の諸手続にも大きな影響を与えています。
このような非常事態においては、平時でさえ複雑なビザの手続が本特例措置の施行等によりさらに複雑になっています。
不安を感じている方は、専門家へ相談することを推奨します。
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