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中国での商標訴訟について(Furuta)
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
中国での商標訴訟について(Furuta)
中国での訴訟
2020年7月13日中国での訴訟についての記事が入ってきました。
菓子メーカーのFurutaという会社の商標が、
中国で取られていて、その相手の商標を無効にできたという判決です。
最高人民法院という、日本でいう最高裁判所での勝利のようです。
解説
中国の商標制度
中国では、基本的に他国で有名であるというだけでは、
中国国内において、先に出願された商標を無効にすることはできません。
正直、中国政府としては、そのような商標は先に自国民に取らせて、
むしろ、外国から金をふんだくってほしい、と思っているのだと思います。
では、どのような場合に無効にできるのでしょう。
それは、その商標が有名で、このままだと
中国人民が、そのブランドだと間違って買ってしまい、
中国人民に被害が生ずるという場合です。
あくまでも、中国(中国人民)の利益にならない場合にのみ、
無効になるだけなのです。
今回の判決は
過去に、この日本のFurutaが中国国内で、
ある程度有名(新証拠として、この部分を提出)であり、
消費者が間違える可能性があると、
判断できるたということになります。
うがった見方
この判決をみて、中国は国際社会と同じように、
他人の商標をまねしないようにしていこうとしている
とみるべきではないと思います。
単に、現在アメリカと貿易戦争(知財戦争)を繰り広げています。
その矛先をかわすために、日本企業を勝たせてみたというだけでしょう。
第33回 米中貿易戦争 知財(特許・商標)が主たる武器です!
しかも、このfurutaという会社はお菓子メーカに過ぎず、
中国が失うものはほとんどないと思います。
(中国国内の売り上げなど、大したことないと思います)。
ほとんど、損失無く、海外メーカーを勝たせて、
外国企業の知財も守っているとアピールするには、
絶好だったというのに過ぎないと、私は推測します。
中国国内のトロール
第10回「中国やばいぞ!!」商標権トロールの恐怖
でも書きましたが、中国では
このような日本企業の商標を取って、日本企業(外国企業)へ
お金をせびるトロールがかなりの数を存在しております。
そのため、中国においての商標出願はかなり急ぐべきです。
もし、取られてしまった際に、
かかるダメージ、時間、費用は、極めて巨大です。
中国商標だけは、一刻も早く絶対に取ってください。
©弁理士 植村総合事務所 植村行政書士
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