クーリングオフ 基礎知識編 6-3:悪徳商法対策

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

景品表示法について
事実に反して優良と誤認させるような表示と、他業者よりも有利と誤認させるような表示について

景品表示法

この景品表示法は、消費者が間違ってしまうような表示をしてはならないという法律です。
具体的には、優良誤認、有利誤認、その他の3つです。

(1)優良誤認

事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引について、
その品質、規格その他の内容を一般消費者に対し、

  1.実際のものよりも著しく優良であると示すもの
  2.事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの

であります。

不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある
と認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。

具体的には、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、
競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、
あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が優良誤認表示に該当します。

なお、故意に偽って表示する場合だけでなく、誤って表示してしまった場合であっても、
優良誤認表示に該当する場合は、
景品表示法により規制されることになりますので注意が必要です。

具体的には、100%牛肉ではないのに100%と表示した利する場合です。
また、フランス産ではないワインにフランスの国旗を書くような場合です。
キャンペーン価格をずーっとしているのに、
「今だけ!」「キャンペーン」
と使うのもこれに該当します。

アディーレという法律事務所は
このような表示があったため、数か月間の業務停止となった例がありました。

(2)有利誤認

事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引について、
価格、その他の取引条件を一般消費者に対し、

  1.実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
  2.競争事業者に係るものよりも、取引の相手方に著しく有利であると
    一般消費者に誤認されるもの

であります。

不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある
と認められる表示を禁止しています(有利誤認表示の禁止)。

である場合が、有利誤認に該当します。
例えば、税抜き表示で安く見せる等があり得ます。 
キャンペーンで、30%引きなども、常にキャンペーンをしているのに、
今だけの値段に見せるなどもこの有利誤認に該当してしまいます。

(3)優良誤認と有利誤認の違い 

 優良誤認と有利誤認の違いは 

 優良誤認 ⇒ その品質、規格その他の内容について 
 有利誤認 ⇒ 価格その他の取引条件について

との違いがあります。 

つまり、優良誤認は購入する商品・サービス自体に対するものであるのに対して、
有利誤認は、その商品・サービスを手に入れるまでのプロセス部分の誤認です。

(4)不作為

(忘れていた)消費者にとっては都合がいいのですが、
会社の立場としては怖いのは、
不作為(何もしていなかったこと)によって、
これに該当してしまう可能性があるということです。

例えば、キャンペーン用のWebページを作って、その記載を消さずに放置していた、
つまり忘れていたという場合でも、これに該当してしまうということです。

具体的には、
「キャンペーン」「30%OFF」「閉店セール」「開店セール」等を忘れていて、
放置していても該当してしまうということです。

(5)処分等

以上の景品表示法違反がある場合は、

 公正取引委員会
 消費者庁
 都道府県知事

から調査が入ります。
その際に、そのような表示が違反でないことを示す必要があります。

逆に言うと、一見、優良誤認に見えるものであっても、
根拠があり、不当表示でないと証拠を示せれば問題ないということになります。

もしそれができないと、措置命令が出ます。
場合によっては、課徴金の納付まで求められます。

しかし、大抵の場合は、「すみません」といって、
その表示を訂正すれば、そのまま、おとがめなしとなるケースが多いようです。

 クーリングオフ基礎知識編6‐4はこちら

消費者庁の商取引法のページはこちら ©行政書士 植村総合事務所 所長行政書士 植村貴明

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