写真について

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

 在留資格申請等で提出する写真について

在留資格等の申請時には、必ず写真の提出が求められています。

その写真の規格は、法務省のページに明確に出ています。

    1. 写真のサイズ
      縦4センチメートル、横3センチメートル
    2. 申請人本人のみが撮影されたもの
    3. 縁を除いた部分の寸法が、左記図画面の各寸法を満たしたもの
      (顔の寸法は、頭頂部(髪を含む。)からあご先まで)
    4. 無帽で正面を向いたもの
    5. 背景 (影を含む。)がないもの
    6. 鮮明であるもの
    7. 提出の日前6か月以内に撮影されたもの
    8. 裏面に氏名が記載されたもの

 単に、それを満たせばよいだけなのか?

つまり、写真の写りの良し悪しは関係ないのか?

という疑問について、複数の行政書士のページ等で、
写真の移りの良し悪しは関係ないといっています。

果たして、それが真実なのか考察したいと思っています。

 まず、入国審査官も人間なのです。

そうすると以下のようなことが容易に想像できます。

また、入国審査官の仕事は裁量がとても大きいため、
法律にない事項が大きく影響していても分からないのです。

1 外見の良し悪し

残念ながら、人間は人のことを外見で判断します。
したがって、容姿の良し悪しが、許可をするかしないか迷った際に、
意識していないまでも、影響することは十分にあり得ます。

入国審査官も意識していないかもしれませんが、
何らかの影響はあるものと思います。

2 写真を撮る際の服装・髪型・態度

1の外見の良し悪しは、本人の努力などが及ばない部分です。
そのため、外見が、明確な不交付等の理由になることは無いです。
(しかし、現実には、その部分の影響もありではないかと思うことは前述のとおりです)

写真を撮る際の服装・髪型・態度は、ご本人の意思です。
もし適当、または手抜きしているという場合はどうでしょうか。

明確に、マイナスな評価をされても仕方ないのではないでしょうか。

もちろん、明確に許可、又は、不許可という場合は何ら影響がないでしょう。
しかし、どちらにしようかという微妙なラインの場合は、
写真の良し悪しは大きな影響を与える可能性があります。

従いまして、

    • スーツを着て、
    • 髪を整え(できれば、床屋に行き)
    • ひげなどを剃り
    • メガネはきれいにし
    • 良い顔色で
    • 少しだけやさしい顔で(笑顔は許されていません)

写真を取ってほしいのです。

3 女性の場合

女性の場合、できるだけ綺麗に写真を撮りたいと思っていると思います。

そのお気持ちよくわかります。

ただ、女性の場合には、入国審査官は許されていない
風俗営業で働くことを、かなり警戒しています。

そのため、できるだけ、夜の店で働いていると間違われるような、
髪型、服装、メイクをしない方がよいです。

若い女性の場合特にそうです。

4 写真の画質

最近、スマートフォンで取った写真をデータで送ってきて、
こちらで印刷してくださいとおっしゃるお客様がいます。

しかし、正直、弊所のプリンタもそこそこの性能ではありますが、
当然ですが、写真屋さんには全く及びません。

就職試験の際に、履歴書に写真ではなく、紙に印刷した写真を貼り付けている、
そして画質が規定に反しているとまでは言えないけど、
にじんでいて良くない場合、採用担当者はどう思うでしょうか。
高い確率で不採用ではないでしょうか。

つまり、その費用や時間を惜しんでいるという扱いです。

その方の人間性が出ているといわれても仕方ありません。
もしくは、経済的に困っているということにも感じられます。

写真屋さんで写真を撮って、お金を払えばいいのに、
そうしないという評価を受けることになります。

明確に、マイナスな評価をされても仕方ないのではないでしょうか。

もちろん、明確に許可、又は、不許可という場合は、何ら影響がないでしょう。
しかし、どちらにしようかという微妙なラインの場合は、
大きな影響を与える可能性があります。

4 写真屋さんで証明写真を撮ってもらう!

以上から、在留資格について確実に問題ないという場合は別ですが、
そうでない場合は、スーツ等のきちっとした格好で、髪をきちっとし、
できるだけしっかりとした写真を、綺麗な画質で、規定にあった写真にすべきなのです。

5 最初に見られるのは写真です!

申請書類の一番上の右側に写真を張る位置があります。
入国審査官は、全ての書類を見る前、一番最初に、

写真を見るのです!

名前や、国籍、等よりも先にです!

そこで、形成された印象(心証)は全てにおいて影響します。
悪ければ、全ての書類が疑問の目で見られることになってしまいます。
提出した写真に、あなたの容姿だけでなく、あなたの心と経済力が表れているからです。

以上の理由から、弊所では、できるだけ写真屋さんで撮ることを推奨しています。

なお、弁護士でさえ、より慎重に審査される裁判で心証をとても大事にしております。
それよりも裁量が多い入管の審査において、写真を軽視することは極めて危険です。

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作成者: 植村湖行政書士事務所 代表行政書士植村貴昭