コラム(各種情報)

第37回

植村のコラム37

 前回は、外国人へのビザ緩和について簡単に意見を申し上げさせていただきました。

 今回は、、ビジネスモデル特許について記載させていただきたいです。

 去年の末頃、いきなりステーキという会社が知財高裁で特許庁と争って、勝訴したというニュースがありました。

 このニュースにより、第2次ビジネスモデル特許ブームという様相となっております。

 ここで、ビジネスモデル特許というのは何かというと、説明が難しいのですが、ざっくりいうと、ビジネスのやり方自体を特許とするという考え方です。

 これがもし可能となると、そのビジネスのやり方は他がまねをできないということになり、競合他社に対して大きなアドバンデージになるということになります。

 このような前提知識をもとに、すこし、話を戻しますが、今、第2次ブームだとしたら、当然第1次ブームもあったわけでして、その第1次ブームは、2000年ごろからでした。ちょうど、私が特許庁に入庁した際に始まり、退庁のころにはすっかりなくなっていました。

 なぜなくなったのかというと、第1次ブームの最初、ビジネスのやり方を取れればビジネスのなり方自体を独占できると思って特許庁に出願したものの、現実は全く特許とならなかったからです。

 なぜならなかったかというと、それって人間が主な部分を人間がやっていて、人間は自法則とは言えないから登録しないよ、という理由が多いと思います。

 (そこには、人間は自然とは一線を画すという思想が流れています。この考え方がいい悪いは、人によって異なると思います。もし、人間もコンピュータなどと同じだから自然の一部という考え方を認めてしまうと、突き詰めると基本的人権の否定につながるかもしれません。他方、自然とは一線をかくすという考え方を、突き詰めると、人間と自然との対立構造となっていくでしょう。)

 話をもどすと、ビジネスモデル特許はお金をかけて出願しても登録とならないから、皆さんあきらめてしまっていたのです、そこに、今回のいきなりステーキ特許知財高裁で突如認められたと報道されたのです。

 そのため、やっぱり、ビジネスモデル特許が認められるかもしれないということで、急遽、第2次ブームが来たという状況です。

 これが、一時的なブームで終わるのか、それとも、永続的なものとなるかは、第2、第3のビジネスモデル特許を特許庁が認めるか(知財高裁が認めるか)になります。

 では、このいきなりステーキの特許は、本当に、いきなりステーキの業態をやりたい競合他社の進出を完全に防ぐことができるほど広くて、回避不可能なものなのでしょうか。

 最終的に成立した特許を私も詳細に検討しましたが、この特許からは、競合の進出を止めることができるほど広い特許とは言えない(簡単に回避可能)との結論に達しました。

 その理由をきちんと説明してしまうと、数ページに及んでしまうので、簡単に説明します。

 いきなりステーキの特許は、①立食であることに限定され、かつ、②グラム数と席番号を印刷したものをシールとして切り落とした肉に張り付けるということになっています。

 そのため、立食で無くした場合や、シールではなくタグ等などにした場合、回避が容易に可能なのです。

 結果から言うと、このいきなりステーキの特許はたとえ特許になったからといって、結果的には、どうということのない特許ということができます。

 しかし、いきなりステーキはかなりビジネスとして成功しております。この成功に、このビジネスモデル特許があったことの効果は大いにあるとみています。

 この理由こそが、真に特許を取る意味につながってくるとても大事なことなのです。

 次回は、最終的に成立した特許がたいしてことがなくても、商業的には大成功できる理由、それは、ひいては特許を出すべきと私が言う本質的な理由を説明する予定です。

 さて、途中になりましたが、次回もビジネスモデル特許から特許の本質についてお話しさせていただきますので、楽しみしていただけると嬉しいです。

                                以上