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乾電池 2|特定技能 ビルクリーニング
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
乾電池 2
乾電池使用の注意点
乾電池の使用方法を誤ると、乾電池内部の電解液が漏れ出したり、破裂する恐れがあります。
この電解質が人体の皮膚に触れると悪影響を及ぼします。
乾電池の過放電
乾電池は、新しい物と古い物を同時に使用しない方が良いでしょう。
新旧の乾電池を混ぜて使用すると、容量の多い新しい乾電池と、
容量の少ない古い乾電池が同時に電流を流すため、古い乾電池の方が先に切れてしまいます。
この「電池が切れるポイント」の電圧を放電終止電圧と呼びますが、
放電終止電圧を迎えた乾電池に対し、新しい乾電池から引き続き電流を流すと、
古い乾電池は放電終止電圧を下回って電流を流し続け、古い乾電池が過放電状態になります。
過放電状態になった乾電池は、液漏れ、破裂などを引き起こす原因となります。
一般に言われている
「新旧の乾電池を入れると古い乾電池が充電されるためNG」
ということが主な理由では無いようです。
規定された放電終止電圧に至っても、
放電を継続することによる過放電が原因となっているようです。
負極の亜鉛筒に穴が空き、乾電池が液漏れを起こしたり、
破裂する危険性が理由であるようです。
アルカリ乾電池では電圧が0V以下になる「転極」という現象が発生し、
乾電池からガスが大量発生します。
マンガン乾電池では、亜鉛筒が延々と消費され続け、
最後には亜鉛筒に穴が空き、内容物が漏れ出す恐れがあります。
使用していない電気機器の乾電池は、抜いておくことが推奨されます。
乾電池を入れたままにしておくと、待機電力として乾電池の放電が継続されてしまい、
終止電圧を超えて、電圧が低下してしまいます。
乾電池の放電終止電圧は1.0~0.9Vを目安として、
それ以上の放電は過放電と判断するのが良いでしょう。
テスターなどを持っていれば、電池の電圧を測定するのも一つの方法です。
乾電池の冷蔵保管
電池を冷やして保管すると寿命が長くなると考え、冷蔵庫に保管・収納するのは危険です。
冷蔵庫内に保管すると、使用時に電池に結露が発生して絶縁不良を起こしたり、
短絡につながります。
低温のまま使用すると放電特性が悪くなるため、電池の容量が低下します。
冷蔵庫に入れるのはやめ、
室温に近く直射日光の当たらない冷暗所に保管するのが良いでしょう。
通常、温度は10~25℃で保管するのが最も適正であります。
乾電池の短絡
乾電池のプラスとマイナスを導通させた場合、
コンセントの短絡に見られるようなアークの発生は無いものの、
電子の流れは乾電池内部の抵抗で熱に変わり、異常発熱が発生します。
乾電池本体の構造が発熱で破壊されると、
充填されている電解質の液漏れや、ガスの異常発生により乾電池が破裂します。
ヘアピンやクリップなどが乾電池と接触しているだけで、短絡状態発生の恐れがあります。
乾電池を廃棄する場合は、極の部分にセロハンテープを貼るなどして、
乾電池の短絡電路が構成されないことが望まれます。
乾電池と鉄や銅の部品と、同じ場所には保管しないことが大切です。
使用済みの乾電池は、端子部分にセロハンテープ等を貼り付け、絶縁するのが良いでしょう。
一次電池の充電
充電出来ず、一回だけの使い切り乾電池は一次電池と呼ばれています。
充電してはならない乾電池を充電すると液漏れや破裂の原因となります。
一次電池は、マンガン乾電池やアルカリ乾電池が代表的です。
一次電池を充電出来ると記載した充電器が販売されていますが、
メーカーが注意事項で「充電してはならない」と記載されている
電池を充電し事故が発生しても、補償されることがありません。
電池の破裂・液漏れによって火災、皮膚の火傷などを起こす原因になるため、
一次電池を充電するのは避けた方が良いでしょう。
従来生産されていたニッケルカドミウム乾電池や、
近年普及しているニッケル水素乾電池は、下記の化学反応を起こします。
-
- 正極:Ni(OH)2+OH-⇔NiOOH+H2O+e-
- 負極:M+H2O+e-⇔MH+OH-
それぞれ可逆反応のため、充電と放電を繰り返しても乾電池が腐食することなく、
メーカーが保証している回数までの充放電を繰り返すことが可能です。
一次電池のマンガン乾電池やアルカリ乾電池は、基本的に不可逆反応なので、
放電すると元には戻せません。
充電しても加熱されるだけで、内部の電解液が爆発を防止するため漏れ出します。
液漏れが発生しなかった場合、破裂してしまうことも考えられます。
アルカリ乾電池は電池反応
「MnO2+H2+ZN→Mn(OH)2+ZǹO」の不可逆反応のため、
充電器に入れて充電状態にしても、使用可能になる可能性は低いと言えます。
ここで可能性が低いとしたのは、完全放電をしてない限り、
若干の電圧回復傾向が見られるためであります。
しかし、メーカー保証外かつ危険性が高いため、全く推奨出来ることではありません。
意図しない充電状態の発生
一次電池は充電してはならない電池ですが、
電池の装填によって思いがけず充電状態となってしまい、事故につながる恐れがあります。
多数の電池を直列に接続する電気機器の場合、電池の方向には注意が必要です。
乾電池を8本入れる電気機器が有り、7本を正常な方向に入れ、
1本を誤って逆向きに入れてしまった場合、一次電池の充電事故につながります。
比較的低容量の電源でも動作するような電気機器であった場合
1本が逆向きになっていても動作してしまうので、
正常に乾電池を装填したと勘違いして、
乾電池を逆向きにしたまま使い続けてしまうことになります。
この状態では、逆向きに入っている乾電池1本が逆向き電流による充電状態になるため、
電池内部に異常反応が起こり、電池内部にガスが発生し、
乾電池の液漏れや破裂の原因となります。
乾電池の処分方法と捨て方
マンガン乾電池やアルカリ乾電池は、水銀を使用しない製品が主流となっているため、
一般ゴミとして回収をしても環境に対する影響は小さいものです。
現在、乾電池を全品リサイクルするという手法の有用性は確立されていません。
資源の再利用が環境に対して有用であり、かつリサイクルコストの負担を
小さく抑えることが明確化されていないため、
乾電池の回収方法は自治体が各々定めているのが現状となっています。
乾電池の廃棄方法は、自治体によって異なりますが、
公共施設に設置されている乾電池の回収ボックスを利用するか、
大手家電店で実施している使用済み乾電池の回収を利用するのが一般的です。
近くに回収場所がない場合、所定の方法(メーカー指定)で処分します。
乾電池は他の電池と端子が接触すると、
異常放電による液漏れや破裂につながる恐れがあるため、
プラス極とマイナス極にセロハンテープやビニールテープを貼付し、
電気的に絶縁するのが原則です。
乾電池を正しく使用して、その処分方法も正しく理解しましょう。