反論・対応・反撃方法:Amazon(アマゾン)・楽天等(ECサイト)の販売店(小売店)への侵害申立とその対応策:不正競争防止法で反撃

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有
               

反論・対応・反撃方法:Amazon(アマゾン)・楽天等(ECサイト)の販売店(小売店)への侵害申立とその対応策:不正競争防止法で反撃

販売者・販売店(小売り)への申立

現在、横行しているのが、
権利者(権利者と称する人)が、amazon(アマゾン)や楽天の運営に、

競合する相手の製品が、自身の
商標権、特許権、実用新案権、意匠権、不正競争防止法、著作権
の知財権等に違反するとして申し立てる方法です。

この申し立てをされてしまったというお客様について、
いままで、複数回対応をしてきました。

楽天、アマゾン、ドン・キホーテ、yahoo、マツモトキヨシ・・・
などです。

普通では対応手段がない

正直これに対応する方法が、普通ではほぼない状態です。

アマゾン・楽天等は、このような申し立てがあると、
その相手へ意見を求めますが、
基本的にどのような意見を言っても、

私たちのような専門家である弁理士が問題ない可能性が高い、と書いても

その商品を取り下げてしまいます。

これ完全に言いがかりだろ!と思うような事例においても、
製品は掲載されなくなってしまいました。

アマゾンや楽天の担当者が明らかに、
無茶な申立であると思うような場合を除いて、
ほぼほぼ、取り下げられてしまいます。

ただ、後述する、不正競争防止法を使って、申立人と直接交渉する方法があります。

弁理士の見解書

今まで、何度もこれに対応するために、
見解書や鑑定書などをかいてきましたが、
ほぼ無視されてしまいます。

悲しいです。

なぜこんなことが?

正直、小売店にしてみれば

その商品への思い入れなどは当然ないのです。

別に同じような商品はたくさんあるわけでして、
何らそのような問題が生じていない商品もたくさんというか、

99.9%問題ない商品なわけなのです。

めんどくさいことに巻き込まれる可能性が0.1%でもあるなら、
取り扱いをやめた方がいいわけです。

ほかに、売ってくださいと言われている商品は腐るほどあるわけなのです。

当然、amazonや楽天(yahoo)の場合などには、出店の際の契約書において、
そのような事をしてもよいとの約款なども用意しており、
その点もぬかりないわけです。

その結果、申立人の主張が通って、
その出品者のその商品は消えてしまうわけです。

対応策(不正競争防止法違反を主張)

判例で、このようなことを、その製品を作っている本来的な被告ではなく、
その取扱業者(楽天、アマゾン、その他の小売店)に申し立てることは、
不正競争防止法違反となり違法となる
可能性があります。

不正競争防止法2条1項15号の
虚偽事実の告知に該当するというものです。

この論文に詳しいです
パテントのこの論文にも記載があります。

不正競争防止違反

簡単に説明すると、
権利行使した後に無効になる、
権利行使した後に非侵害となる

ような場合です。

この場合には、不正競争として、
損害賠償等を受ける可能性があります。

そのような主張をして
販売店・小売店を巻き込むべきではないことを、
主張する必要があります。

逆に、この主張をする場合は、
よく権利が大丈夫か検討してみる必要があります。

なお、参考となる本件事件としては、COMAX事件などもございます。

無効・非侵害となった場合の損害賠償

侵害警告を、販売店などに行った場合に、
事後的にその権利が無効になったり・非侵害との判断になった場合に、
警告者側に損害賠償が発生するか、についての裁判例は、
例えば以下の裁判例があります。

東京地裁平成29年2月17日判決たとえば、権利行使した特許権について、後に無効審決がなされたために信用毀損行為の要件を満たす場合、
当該特許権者が損害賠償責任を負うか否かを検討するにあたっては、
以下の要素を総合的に考慮したうえで、当該告知行為が登録された権利に基づく権利行使の範囲を逸脱する違法性の有無
および告知者の故意過失の有無を判断すべきであるとされています

  • 無効理由が告知行為の時点において明確なものであったか否か
  • 無効理由の有無について特許権者が十分な検討をしたか否か
  • 告知行為の内容や態様が社会通念上不相当であったか否か
  • 特許権者の権利行使を不必要に委縮させるおそれの有無
  • 営業上の信用を害される競業者の利益
 
これらを考慮して、侵害警告をすべきですし、
侵害警告をされた場合に、これらの点を指摘して、
大丈夫ですか、と注意を促し、相手にも妥協を迫る方法があります。

対応方法(対応方法の手順)

(1)本当に侵害しているのかの検討

正直、この申し立ては根拠なくてもできるため、
侵害の可能性を冷静に考える必要があるのか。

どのぐらいの確率で、訴訟をしたら負けるのかを、
冷静に検討する必要があります。

そのうえで弊所の場合、弁理士名で鑑定書(見解書)等を作成します。

もちろん、侵害している可能性が高い場合は、
このようなものを作っても無駄なので、一刻も早く、
商品を取り下げるか、相手方と和解する必要があります。

(2)相手に申し立て

相手の言い分に無理があるような場合は、

上記の、不正競争防止法の虚偽告知に該当している可能性があり、
取り下げなければ、損害賠償を請求すると伝えることにしております。

そして、もし、取り下げない場合は、
訴訟に踏み切ることになります。

過去の対応例

過去私が対応した例では、
複数の会社に同時に、訴訟も辞さないと伝えたところ、
すべてが、申し立てを取り下げて、
その商品は、アマゾンに取り下げられなかったということがありました。

そのお客様は、本当に怒っており、
訴訟も辞さないとのことでしたので、
そこで収まって、相手にとっても良かったのではないかと思います。

アマゾンの規約による「新品」とは

アマゾンのコンディションガイドライン

以下の商品は、Amazonで「新品」として出品することはできません。

    • 個人(個人事業主を除く)から仕入れた商品。
    • メーカー保証がある場合、購入者がメーカーの正規販売代理店から販売された商品と同等の保証(保証期間など)を得られない商品(例えば、メーカー保証がある場合に、すでにメーカーが定める保証期間が始まっている、または保証期限が切れている商品など)。
    • プロモーション品、プライズ品、おまけに関しては、出品自体は許可されていますが、「新品」としては出品できません。出品する場合は、コンディションガイドラインに沿って中古品として該当するコンディションで出品してください。
    • Amazon.co.jp限定商品としてAmazonによって販売されている商品(Amazonが特別に承認している場合を除く)。

なお、中古品として出品する際は、プロモーション品、プライズ品、おまけなどである旨をコンディション説明欄へ明記してください。

出荷時(販売時)に保証印を押すことにより、保証期間を始められるようです。

関連ページ

新製品の製造販売を始める!特許侵害(実用新案侵害)の恐れ

新製品の製造販売を始める!商標侵害の恐れ

アマゾンの侵害申し立てのページ

楽天の侵害申し立てのページ

©弁理士 植村総合事務所 所長 弁理士 植村貴昭

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