コラム(各種情報)

第15回 価値ある特許とは何か?例えばハイテクの分野、それとも、もっと簡単な分野?

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

価値ある特許とは何か? 

植村のコラム15

 前回は、トロールという怪物のお話をさせていただきました。
 今回は、価値ある特許とは何かというお話をさせていただきます。

特許のイメージ

 皆さん、特許というとどのようなイメージを持っておられるでしょうか。
 ハイテク等の極めて難しいものというイメージがある方が多いのではないでしょうか。
 では、ハイテクの分野において特許が有効に作用しているかというと、
 実はそうでないのです。

 正直、ハイテクの分野は、実は回避が容易なのです。
 そのため、特許をたくさん出して、特許網のようなものを作らなければ
 有効に守ることができないという状況なのです。
 つまり、皆さんが理解できないようなハイテクの分野は
 実は特許に向いていないということなのです。

ハイテク分野は特許の回避が容易

特許に向いている業種

 では、どんな分野が向いているのかというと、簡単なものです。
 あまり理科が得意ではなかったという方が考えるようなものが向いているのです。
 つまり、今、こういう製品があって、
 こうしたらもう少し使い勝手がいいのにというようなものです。

 このことは、サムスンとアップルの争いが主として
 携帯電話の内部の回路やプログラムではなく、
 見た目が似ているということで争われたことからも証明されています。
 両社はそれこそ、何百何千と特許を持っていたのに、
 争われたのは見た目である意匠で争っているという事実があるのです。

 そのため、特許なんて難しいものは自分では考えられないということではなく、
 皆さんも考え付く内容こそが特許に向いています。
 そういうものは、誰でもマネしたいものであるからです。

 ただ、そういうものは、誰でもマネしたい
 =すごく影響が大きいので、特許庁はなかなか許可してくれません。

粘り強さが何よりも大事

そういったものに、粘り強く特許庁の審査官を説得してくれる
胆力のある弁理士を使う必要があります。
けっして、簡単に登録になりますというような弁理士ではだめだということです。

つい最近、私が、審査で認められず、審判(=准裁判手続)まで争い、
審判官(=准裁判官みたいな人)と7回もやり取りして登録した特許があります。

その特許は、つい最近、事業化大賞を取得していたり、
テレビの取材もあるすごい事業なのですが、
最初お話を聞いたときには、とるのは難しいですと申し上げた特許です。

審査官を粘り強く説得して取得した特許は、
我ながらその事業の中核を守る非常に強力な特許となったと思っています。

そういうわけで、これは簡単だからといってあきらめないでほしいのです。

特許は、大企業のものではないです。
むしろ、中小企業の方が持った際の価値は高いのですから。

おねがい(笑)

んでですね、できれば、私に依頼してください。(笑)
最後は宣伝にしてしまいました(すみません)。

さてさて、次は、何の話にいたしましょうか?
えーと、次は、「○○協会」ビジネスについてお話しさせていただきます。

ちなみに、この「○○協会」ビジネス考え付いたのは私です(笑)

以上

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