コラム(各種情報)

第28回 営業秘密(=トレードシークレット)について。それは不正競争防止法という法律で守られている。

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

営業秘密(=トレードシークレット)について
それは不正競争防止法という法律で守られている

植村のコラム28

しばらく弁理士とは関係ないことばかり書いてしまっておりまして、
皆さんが私のことを便利屋さんだと勘違いされていないか
かなり不安になってしまいました。

それで、弁理士の業務である
営業秘密(=トレードシークレット)をお話しさせていただきます。

営業秘密については、特許や商標と異なり、
全ての事業主が有しているといっても過言ではありません。

そのため、今回のコラムは
今までの私のコラムに全く興味がない方にも有用なものですので、
最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

さて、営業秘密の一例は、もちろん
特許出願前(又は特許出願しない旨決定した)の技術、顧客名簿、販売ノウハウ等です。

このうち、技術の部分は特許で守ることもできるし、
この営業秘密ということで守ることもできます。
他方、顧客名簿などは、技術ではないため特許で守ることはできません。

このような、技術に限らず、営業上秘密にしたいような全てのことが
営業秘密ということで守られています。

具体的には、不正競争防止法という法律で守られております。

不正競争防止法による保護

この不正競争防止法の良いところは、
特許等のようにお金をかけて申請・出願等をしないでも守られるということです。
弁理士等に書類作成等の費用を支払わなくても良いということです。
(弁理士である、私は悲しいですが・・・・)

 

ただ、この不正競争防止法で守られるには、いくつか要件があります。

以下、列記します。

①秘密管理性、②有用性、③非公知性です。

 

①の秘密管理性は、秘密としての管理が要求されるということです。

全社員が見れるような状態で管理されているものは
秘密管理性が無いとされてしまいます。
秘密にして守る努力をしないものを守る必要はないからです。
この秘密管理性を満たすためには、
たとえば、アクセス制限(パスワード等も含む)を適切にかけるとよいです。

 

②の有用性は、大抵はこの要件を満たすと思いますが、
秘密として管理されていても
それが第三者にとっても有用なものでない場合には、
認められないということになります。

有用でないものは守るべき価値の無いということですので、
法的に守る必要がないからです。

 

③の非公知性は、それが一般にしられていないものである必要があります。

自分としては、どんなに有用だと思って、秘密にして管理していても、
第三者が合法的に知っているようなものについては、
この法律で守ってもらえないということです。
秘密ではないことなのですから当たり前です。

という要件を満たす場合には、
流失した秘密情報について法的に守ってもらうことができます。

ここで、こういった事例は、
就業規則とか労働者・外注への契約書で守ればよい
という風に思う方もおられると思います。
確かに、外注者とか労働者に対するものであればそれでも十分です。

しかし、この法律の旨味は、
この営業秘密を手に入れた契約の当事者ではない第3者にも及ぶ可能性がある
ということなのです。

 

ざっくり、営業秘密についてお話ししましたが、
これ以上はおそらく楽しくないでしょうからこのぐらいにさせていただきます。

さてさて、次回は、もう少し弁理士らしいコラムを書こうと思いますが
今は思いつかないので、次回までに考えさせてください。

以上

特許庁のHPはこちら