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次狙われるのはあなたかも!知財業界のトロール(トロル)

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

次狙われるのはあなたかも!知財業界のトロール(トロル)

トロールというのは、北欧の方でいる「人ならざる存在」を言います。
つまり、化け物です。

知財の世界にもそんな方々が存在します。

トロール・・・
「ドラゴンクエスト」というゲーム内では
かなり醜悪な鬼のようなイメージの化け物です。

実は、ムーミンもムーミンという作品におけるトロールです。

このトロールには逸話があります。
橋のたもとに暮らしていて、その橋を渡ろうとする人からお金を巻き上げるという逸話です。
もちろん、その橋はトロールがかけたものではないです。

この逸話とやり方が似ているということで、
トロールと名をつけられた知財業界の人間が存在するのです。

知財におけるトロールとは、
自分ではそのものを使って商売していないのに、
お金だけを巻き上げようとする人たちということです。

例えば、以前話題となった「PPAP」という商標を取得した人は、
年に何万個も商標を出願しているのです。

この人は、元弁理士です。
ちなみに、私は「元」ではない弁理士です(笑)。
この人は、特許ブローカー・商標ブローカーともいうべき存在です。

いろいろ理由がありまして、断定するとまずいのですが(笑)、
トロール的なことをしている方なのかな・・・と私は個人的に考えております。

 

さて、以下は、この方とは全く無関係に、
一般的な商標トロールのお話をさせていただきます。(笑)

人が使っている商標・使うであろう商標を
前もって出願すると、圧倒的に商標的には有利な立場になります。

その立場を利用して、
その使いたい人に売りつける等をして儲けるのが商標トロールです。

これにあってしまうと、かなりのコストを要します。
もちろん、我々弁理士への依頼料、弁護士への依頼料等のコストがかかってしまいます。
商品・会社名の変更などにも多くのコストが予想されます。

そして、それ以上に、最終的に解決しても、
その間、名前が使えなくなるかもしれないという不安は極めて大きな負担になってしまいます。

私が、商標だけは取ってほしいと、再三申し上げるのは、このような理由からなのです。

しかも、ただ取得するだけでは意味がありません。
正確に自分の事業をしている分野と
今後事業をしていく分野を見定めて出願する必要があります。

また、商標自体も文字で出すのかロゴで出すのか、
どこまでの言葉で出すのかなどを慎重に検討して出す必要があるのです。

早めの商標取得でトロールに対抗

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