<> コラム

緩んでいたのは何処のネジ?|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

緩んでいたのは何処のネジ?

19日、和歌山市の12階建てのビル屋上付近から鉄パイプが落下し、
通行中の男性の頭部を直撃して死亡するという痛ましい事故が起こりました。

警察の調べでは、鉄パイプの重さはおよそ5キロ、工事用の足場の一部として使われ、
12階付近で足場の解体をしていた際に落下したとみられています。

ビルの管理会社によりますと、事故の4日前の今月15日にも同じように
屋上付近から鉄パイプが落下していたということです。

当時、けが人は出ませんでしたが鉄パイプを固定する金具が緩んでいたとみられ、
作業に当たっていた業者は管理会社に対し、金具に緩みが無いか点検することや
防護ネットを張るといった安全対策を徹底すると申し出たということです。

その後、防護ネットの設置や、鉄パイプに補助ロープを付けるなどの対策を
講じたうえで、18日から工事を再開した直後に、この事故は起きました。
しかし落下した鉄パイプには、補助ロープにはついていなかったということです。

事故当日は強風が吹き、なお一層の安全対策が求められる状況でしたが、
警察は、業者側が申し出た安全対策が十分に守られていたか
詳しく調べることにしているということです。
人一人が亡くなられた重大な事故であるので、十分な調査・検証が必要であると考えます。

現在、我が家の近くでもマンション建設、水道管交換工事等
多くの工事現場が見受けられますが、作業現場付近の道路・交差点には
多くの警備員が配置されて、交通整理・歩行者の誘導はもちろんのこと、
工事の案内板・現場のガードレール・カラーコーンの設置、
それは至れり尽くせり、細心の注意がなされていると思われます。
(公共工事は特に!)

ビルメンの作業においても、単独(一人)作業は禁止されており、
どんな軽作業でも二人作業(共同作業)が徹底され、
二人揃わないと揃うまで休憩(?)を余儀なくされていました。
事故防止のためであり、自損事故の発生を予防するためでもありました。

ビルメンの単独作業は禁止

SNSの投稿から(原文のまま)

  • これは完全な殺人でしょ。
    高所で解体作業して、下に物が落ち、直接当たるなんて有り得ない作業ですよ。
    しかも4日前にも同じ事をしている。
    有り得ない事です。
    亡くなられた方は本当に残念です。
  • Tik・Tokで、よく足場作業員が動画上げているがめちゃくちゃな奴ばかりだよ。
    安全帯無しは当たり前、荷揚げ機も使わずに鉄パイプを投げて揚げるのが当たり前な業界。
    交通規制もしてなければ警備員もいない作業現場。
    もちろん足場の落下安全対策は無し。
    今回はたまたま人に当たったからニュースになっただけ。
    鉄パイプ落下は日常的に起きているはず。
    足場作業員や解体工はその程度の連中が集まった仕事場だから
    作業している時には絶対に下を通らない様に心掛けた方が良い。

悲しいコメントです!!(作業員の質の低下を嘆く)

でも全員が全員、そんな人ばかりじゃないはずです。
緩んでいたのは、作業に当たっていた業者のヘッドや管理会社のトップの“頭のネジ”だった
可能性があります。

もう“想定外”では済まされません!

亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

厚生労働省HPの特定技能ビルクリーニングはこちら
ビルクリーニングの目次はこちら