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心構えと準備|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

心構えと準備

「火事と喧嘩は江戸の華」

という言葉どおり、昔から東京は火事が多かったのですね。
大気が乾燥し、暖房器具を多く使うこの時期、
年末から年始にかけて火災が多く発生しています。

「江戸の華」なんて言って自慢していてはいけません。
大切な財産はもちろんのこと、生命さえも一瞬のうちに失うことになるのですから。

大火(たいか)になる前の小火(ぼや)のうちに消し止めるには、
初期消火が大事です。(初期消火で決まります!)

初期消火で活躍するのが消火器です。

消火器について

燃焼と消火の原理

燃焼は、4つの要因がそろって生じます。

1.可燃物であること
2.酸素があること
3.高温であること
4.燃焼の連鎖反応

火を消し止めるには、これら4つの要因いずれかを取り除きます。
その方法は、下記の4つの消火法があります。

4つの消火方法

除去法
燃焼するものを無くすことによって消火する方法です。
燃えているガスコンロの元栓を閉めると火が消えるのと同じ原理です。

冷却法
燃焼している物質に水などをかけて消火する方法です。
それにより燃えている物質の温度が急低下して、火が消えます。

窒息法
燃焼している所への酸素(空気)の供給を遮断して消火する方法です。
ロウソクにコップをかぶせると、火が消えるのと同じ原理です。

負触媒(抑制)法
物質が燃えると、連鎖的に化学反応が起こり燃え広がっていきます。
負触媒法は、その化学的連鎖反応をストップさせる消火方法です。

火災の種類と消火器

火災の種類は、「燃える物質」によって3つに分けられます。

A火災(普通火災):木材、紙、衣類などが燃える火災
B火災(油火災) :石油やガソリン(可燃性液体)、油脂類などが燃える火災
C火災(電気火災):電気設備、電気器具などの感電の恐れのある電気施設を含む火災

※市販の業務用消火器は3つの火災に対応できるようになっています。
 ABC火災対応消火器(蓄圧式粉末ABC消火器)

消火器を正しく使うための心がまえと準備

消火器を使った経験がない方が、「消火器を使えるだろうか?」と
不安を感じるのは当然です。
消火器は「重くて、使い方がむずかしい」と思われがちですが、
じつは簡単に扱えるように設計されています。

なにより肝心なのは、落ちついて使用すること。
ラベルに記載された手順を見てイメージしておけば、いざという時スムーズに消火できます。

また地域の防火訓練などに参加しておくと、より迅速に落ちついて
対応できるようになるでしょう。

最近の消防機関のデータでは、消火器の成功率(初期消火の)は76.4%。
多くの方が正しく使われています。
ただし、使用率は24.3%と低く、必要な時に十分活用しきれていないのも現状です。

消火器の備え次第で、初期消火の明暗は分かれます。
住宅での火災発生時で使用される消火器は平均2.5本。

例えば、玄関に1本、台所に1本、2階に1本、と
消火器を分散し常備しておくことをおすすめします。

「消火器がある」という安心感は、火災発生時に冷静さを取り戻す役割も果たしてくれます。

定期的に消火器をチェックしましょう

消防法第17条の3の3の規定により、6ヶ月に1回以上行うものとする。

消火器の機器点検

1.設置状況
2.消火器の外形
3.消火器の内部および機能
4.消火器の耐圧性

何時でも使える状態にしておきましょう。

いざという時の心がまえと準備は出来ましたでしょうか?
カチカチ「火の用心!!」

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