特定技能の制度改正 1業務区分の統合
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
注1:職業紹介は植村貴昭が行います (屋号:日本海外人材支援機構) 注2:特定技能の登録支援は 一社)日本海外人材支援機構が行います |
特定技能制度の改正
業務区分の統合(製造分野、建設分野)
従来、19に細分化されていた製造業分野及び建設分野の業務区分について、訓練、各種研修の実施等により、特定技能外国人の安全性等を担保しつつ、いずれの分野も業務区分を3つに統合しました。
製造業分野
【旧区分】19区分に細分化
「鋳造」、「鍛造」、「ダイカスト」、「機械加工」、「金属プレス加工」、「鉄工」、「工場板金」、「めっき」、「アルミニウム陽極酸化処理」、「仕上げ」、「機械検査」、「機械保全」、「電子機器組立て」、「電気機器組立て」、「プリント配線板製造」、「プラスチック成形」、「塗装」、「溶接」、「工業包装」
【新区分】3区分に統合
「機械金属加工」、「電機電子機器組立て」、「金属表面処理」
技能実習満了者が試験免除で特定技能に移行できる作業が大幅に拡大!
技能実習満了者の従事する作業が増える
これまで業務区分を跨ぐ転職の場合には、製造分野特定技能1号評価試験の合格が必須でした。
これからは試験免除で従事できる作業が増えます。
例1)技能実習は「機械加工職種 数値制御旋盤作業」を満了した人が…
⇒ 特定技能では「電気機器組立て」の仕事に従事
例2)技能実習は「電子機器組立て職種 電子機器組立て作業」を満了した人が…
⇒ 特定技能では「プリント配線板製造」の仕事に従事
協議・連絡会に加入できる企業が増える
「製造業特定技能外国人材受入協議・連絡会」に加入できる日本標準産業分類が追加。
・2462 溶融めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
・2464 電気めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
・2469 その他の金属表面処理業(ただし、アルミニウム陽極酸化処理に限る。)
※2022年10月中旬以降の施行予定
「製造分野特定技能1号評価試験」についても見直し
学科試験は「新区分の共通問題+選択科目の問題」、実技試験はこれまで通り19科目から選択。難易度は既存の試験と同程度で、令和5年度から適用予定です。
建設業分野
建設分野については、区分の統合に併せて、これまで特定技能に含まれていなかった建設業に係る作業についても、全て整理後の業務区分に取り込み、これにより、建設関係の技能実習職種(25職種38作業)を含む建設業に係る全ての作業が特定技能の対象となります。
※建設業分野の業務区分が3つに再編されたことを受け、建設技能人材機構(JAC)は新試験のスケジュールをまとめた。新試験は、特定技能1号は12月中、特定技能2号は2023年度から実施予定。
Q&A
Q 製造業分野について、業務区分が統合されますが、これにより特定技能外国人を受け入れられる事業所の範囲は広がりますか?
A 特定技能外国人が従事できる業務区分はこれまでの19区分から3区分へと統合されますが、特定技能外国人を受け入れられる事業所の範囲(制度を活用できる事業所の該当要件)に変更はありません。
Q 製造業又は建設分野において、統合前の業務区分のいずれかに従事する特定技能外国人として在留している場合、業務区分の統合に伴う在留資格変更の手続は必要ですか?
A製造業又は建設業分野において、統合前の業務区分のいずれかに従事する特定技能外国人として在留している方については、統合後の業務区分に従事するものとみなされるため、業務区分の統合に伴う在留資格変更等の手続は不要です。
なお、特定技能外国人に交付された指定書に記載された業務区分を統合後の業務区分に変更することを希望する場合には、管轄の地方出入国在留管理官署に相談ください。
Q 製造業又は建設分野での就労を目的に「特定技能」への在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請をしている場合、業務区分の統合に伴う再申請が必要ですか?
A 再申請の手続は不要です。統合後の業務区分の申請がなされたものとみなして、許否の判断を行います。
Q 統合前の業務区分での就労を目的に「特定技能」に係る在留資格認定証明書交付申請中の場合や、既に在留資格認定証明書を交付されたものの上陸申請に及んでいない場合、分野統合に伴う再申請の手続は必要ですか?
A再申請の手続は不要です。在留資格認定証明書交付申請中の場合は、統合後の業務区分の申請がなされたものとみなして、許否の判断を行います。
Q現に「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」へ入会済みの事業者及び入会手続を行っている事業所において、業務区分の統合に伴う再度の入会手続は必要ですか?
A特定技能外国人を受け入れ可能な事業所の範囲に変更はありませんので、再度の入会手続は不要です。
Q現に「建設分野特定技能受入れ計画」の認定を受けている事業者又は認定申請中の事業者において、再度の認定申請は必要ですか?
A 再度の認定申請は不要です。
Q現在、製造業分野又は建設分野で在留している特定技能外国人は、いつから統合後の業務区分の業務に従事することが可能ですか?
A 閣議決定日(令和4年8月30日)以降、統合後の対応する業務区分の業務に従事することが可能となります。新たに従事できるようになった業務に従事する場合、労働災害を防止するために、受入れ機関は十分な訓練や安全衛生教育を含む各種研修を実施してください。
なお、建設分野において、認定計画以外の職種や作業に1号特定技能外国人が従事する場合は、同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を支払う必要があるため、変更後に従事する業務内容について同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬額になるよう整合のとれた昇給を行い、その旨を明記した雇用契約を締結したうえで、国土交通大臣に外国人就労管理システム上で届け出る必要があります。詳細は分野を所管する国土交通省までお問い合わせください。(国土交通省代表:03-5253-8111)
Q「建設関係職種(新たに試験免除となる作業)」、建設分野における「鉄工職種」、「塗装職種(建設塗装作業及び鋼橋塗装作業)」又は「溶接職種」の第2号技能実習を修了した者が特定技能へ移行する場合の試験免除措置はいつ開始されますか?
A 閣議決定日(令和4年8月30日)からとなります。
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