第1章:暗号化解除の違法化

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

暗号化解除の違法化

暗号化の解除の違法化(無反応機1

改正前から認められない私的複製(30条1項2号,2条1項20号)

再生・録画機はコピー制限信号があると、コピーを制限する
DVD(CD)コピー制限信号が除去されてしまうとコピーが可能となる。

そこで

コピー制限信号を除去することを私的複製から除外していた
無反応機は?
これを違法としてしまうと、再生・録画機に全種類の
コピー制御信号への反応を義務つける結果になる

【注】 本来、私的複製は合法であるがその例外である(デジタル化)

暗号化の解除の違法化(無反応機2

無反応機は? これを違法としてしまうと、再生・録画機はすべての種類のコピー制御信号に反応を義務つける結果になる。

なぜか?

再生・録画機が対応しないコピー制限信号を有するDVDは、ユーザがコピーできる。
     
ユーザの行為は私的複製に該当せず10年以下の懲役
     
メーカーは幇助に該当しうる
     
義務付けに等しい(=DVDの発行元は新しいコピー制御信号を付けることができるのであるから義務が重すぎる)
     
また、より高度なコピー制御信号DVDを採用した場合

暗号化の解除の違法化(無反応機3

より高度なコピー制御信号を著作権者が採用したい場合
     
新しい制御信号技術を採用する
     
既に販売済みの機器はこれに対応できず、新しいコピー制御信号の付されたDVDをコピーできてしまう。
     
違法な行為が蔓延する。
     
このような、ことは、認められない。
     
その結果、新しいコピー制御技術を採用することが不可能となる。
     
技術の進歩の停止

暗号化の解除の違法化(新設1

新設(付加)された私的複製(30条2項)の制限

暗号を復号できない再生・録画機は再生できない。
DVD(CD)コンテンツ→暗号化  暗号を復元するとコピーができてしまう。
そこで

暗号を復元してするコピーを、新たに私的複製から除外
暗号を復元するソフト、暗号を復元したうえでコピーするソフトは存在する。
【注】 本来、私的複製は合法であるがその例外である(デジタル化)

暗号化の解除の違法化(新設2

回避装置・プログラムへの規制(従来通り)

  公衆への譲渡・貸与       →    刑事罰

  公衆譲渡等の目的での製造等         (120条の21)

回避行為の規制

  回避によって可能となった、複製  →   違法(刑事罰は無)

                       (3012号)

業として(反復して)公衆からの  →     刑事罰

  求めに応じて回避する行為         (120条の22号)  

 

その他項目はこちらの目次ページのリンクよりご覧ください。
文化省HP 著作制度の概要はこちら
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/ 

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