新規性喪失の例外の危険性(問題点)|特許要件
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
新規性喪失の例外の危険性
問題点・リスク・デメリット|特許要件
新規性喪失の例外の危険性(問題点)も、
自分から公開してしまった場合と、
意に反して公開されてしまった場合
(守秘義務などがある相手が公開した場合)とがあります。
自分から公開した場合(特許法30条第2項の場合)
① この制度があるということで安心して、出願を先延ばしにし、
その出願までの間に、第三者が独自に発明して出願してしまった場合、
特許化できなくなってしまうこと。
② この制度があるということで安心して、出願を先延ばしにし、
その出願までの間に、第三者が独自に発明して公開してしまった場合、
特許化できなくなってしまうこと。
③ 自分から公開してしまった場合は、1年以内に出願しなければならないこと。
④ 自分から公開してしまった場合、出願の際に、
いつ、どこで、だれに対して、どのような内容なのかという書類を出す必要があり、
細かく記録を取って、かつ、もれなく記載する必要があること、
この書類の提出にはコストがかかること。
弊所の場合、3万円(税別)~ (証明の件数により変わります)
となっておりますが、無駄な費用なので、基本的にはかけずに済むならその方がいいかと思います。
意に反して公開してしまった場合(特許法30条第1項の場合)
守秘義務の相手だけに公開等していたが、それがバレてしまうような場合
① 守秘義務に同意してくれない可能性があること。
② 守秘義務に同意してくれた相手であっても、
相手が、独自に前から発明していたとして、出願してしまうと、
こちらの発明に由来したものであると証明しなければならず、
この証明がかなり難しいうえ、費用と時間もかかること。
③ 同じく守秘義務に同意してくれた相手であっても、
その発明を、第三者に出願等させた場合、
その第三者に、こちらが発明を教えたということの証明が必要で、
この証明はとても難しいうえ、費用と時間もかかること。
④ この制度があるということで、安心していて出願を先延ばしにし、
その出願までの間に、第三者が独自に発明して出願した場合に、
特許化できなくなってしまうこと。
⑤ この制度があるということで、安心していて出願を先延ばしにし、
その出願までの間に、第三者が独自に発明して公開した場合に、
特許化できなくなってしまうこと。
です。
そのため、できれば先に出願してほしいのです。
それが難しい場合
でもどうしても、すぐには費用が高くて難しという場合のために、
また、そうできない場合、植村は、守秘義務の契約書を皆さんに配布しております。
秘密保持の覚書
そして、新規性喪失の例外の規定を利用するための準備や
特許庁の発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続について
もご参照ください。
新規性に関する記事は、新規性とは?をご参照ください。
©弁理士 植村総合事務所 所長弁理士 植村貴昭