先に動いた方が負ける!拒絶理由通知 特許検索

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

先に動いた方が負ける!拒絶理由通知 特許検索

前提知識

① 新規性・進歩性

特許権になるか否かは、先行技術といかに差別化するかということになります。

ここで、重要なことは、
単に、先行技術と異なるという要件(新規性といいます)を満たす必要があることです。

さらに、先行技術から、当業者(当該技術において通常の知識を有する者)が、
容易に発明ができない必要があります(進歩性といいます)。

② 審査官の対応

書いた内容はつぶされる!

審査官は、進歩性を否定する時、その時の特許請求の範囲に書かれた

このような理由で、また前もっての調査は推奨しておりません。
特許請求の範囲の重要性4(調査していたら?)|特許要件
を参照ください。

ここに書かれているように、さらに、
調査だけでなく、従来技術を記載してそれとの差異も
しっかりと書くことも推奨していません。
この場合、その差異部分をつぶされるからです。

つまり、審査官に、拒絶理由通知を受けるまで、
発明のポイントを審査官に知られてはならないのです。

最初に審査官が動くまでポイントを決めない!

審査官に、どこがポイントだか知られてしまうと、
そこをつぶされるので、

従来技術はまともに書かずに、
「全部新しいです!」というスタンスで、全ての部分が新しくてポイントだと、
いうような出願がベストなのです。

そのために、ある程度最初に想定できる全部の部分についてポイントにいつなっても
良いように、
しっかりと書いておくことが重要です。

想定できない部分についても、万が一の場合に備えて、
ある程度しっかりと書いておくことが重要です。

最初に審査官を動かすことの重要性について

最初に審査官を動かすこと

=拒絶理由通知を通知させて、引例を提示させる

ことですが、なぜ、重要なのか上記してきましたが、
もう少し説明いたします。

審査官が最初に提示した文献、引例は、ある程度固定されます。

その文献とほかの文献や技術思想の結合の論理を破壊すると、
進歩性が認められるのです。

そのため、最初に相手の立ち位置を決めさせないと、つまり
こっちが先に行ってしまうと、都合の良いように立ち位置を変えてきてしまうのです。

他方、一度、拒絶理由通知を通知してきた場合、
審査官も、文献を変える(立ち位置を変える)というのは、

① 論理的に変ですし、
② かっこ悪いですし、
③ 再度、検索して探さなければならないので、


簡単には変えてこないという事情があります。

そのため、いったん立ち位置を決めさせて、それから
そこを叩くということが重要なのです。

拒絶理由通知 先に動くと負け

叩くというのは、どこをポイントとするのか、どの広さで頑張るのか、
等を決めて、それが認められるように、
審査官の論理(引用文献)をつぶすという作業になるのです。

ここまで書けば、先にこちらの立ち位置(ポイント)を示すのは、
とても不利だということが分かろうかと思います。

以上から、

(1)先行記述の検索(調査)は不要

(2)明細書作成の際にポイントを絞ることは不要

(3)ただし、どこがポイントになるか分からないので、
     全体的にしっかり描いておく必要がある。

ということになります。

 

拒絶理由通知の対応については、このページをご参照ください。
特許庁HPはこちら

拒絶理由通知にこだわる理由については、↓こちらのページ。

特許庁元審査官が教える!特許取得の拒絶理由通知にこだわる理由:拒絶理由通知が来ない特許はダメな特許

 

@弁理士 植村総合事務所 代表弁理士 植村貴昭

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