芸名(芸能人名・ペンネーム)と商標権

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

芸名(芸能人名・ペンネーム)と商標権

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youtuber(ユーチューバー)の名前を商標登録する場合

芸名等に関する特許庁の商標審査基準はこのページです。

なぜ芸名・題名(題号)・タイトルが商標出願しずらいのか?

芸名を登録する

(1)最近の事例

芸名について登録するということが実務として行われています。
より説明すると、芸名を芸能事務所等が取得するという実務になっております。

そして、たまに、芸能ニュースなどで、
所属事務所退所に伴い、その芸名が使えなくなって問題になっているという報道を見かけます。

昔であれば、「加勢大周」さんとかですね。
最近であれば、最近は「のん」で活動している、「能年玲奈」さんなどです。

その他には、

    • ブラックサバス
    • 加護亜依

さん等の事例があります。

特に、能年さんの場合、本名ですので、
本名が使えなくなるというのはどうなのでしょうか
ということで問題になりました。

(2)なぜ登録するのか?

芸能界において、タレントを一人デビューさせることはとても大変です。
膨大な費用をかけてデビューさせます。
デビューで終わらずに、一定の知名度を獲得させるために、
芸能事務所がかける費用は膨大なのです。

当然のことながら、芸能事務所は仕事なので、
この費用を回収して、利益としなければなりません。

また、次の芸能人のデビュー、育成にもその費用を回さなければ、
会社として継続的に事業を続けることはできません。

(3)有名になった後の芸能人との立場の違い

他方、事務所に当ててもらった(=有名にしてもらった)芸能人の立場からすると、
なぜ新人の発掘育成費用や、マネージャー以外の人件費等を
負担しなければならないのだ、ということになります。

しかも、すでに当たって(=有名になって)しまったからには、
自分の名前で仕事が取れるので、事務所自体要らないということになるのです。

事務所を独立して、事務所には一銭たりとも支払いたくないということになるのです。

(4)結果登録するということになる。

このような事態にならないように、事務所としては、
商標権登録しておき、事務所を辞めたら、ブランドである芸名は使えないよ、
ということにして、少しでも守っておきたいということになるのです。

芸名と商標登録

このような背景を知ると、
芸能事務所があくどくて、芸能人はかわいそうとは一方的にならないことを
理解していただけると思います。

このように、芸能事務所が契約以外に、芸能人を管理するには、

商標権以外にない!

ということになってしまうのです。

芸名は商標なのか?

そもそも、芸名は商標を取る必要があるのかということ自体は問題になります。
芸能事務所が商標を取りたいということは、立場上十分に理解できます。

しかし、芸能人自体が取る必要があるのでしょうか?

正直、なかなかに難しい問題です。
詳細は↓です。が、かなり難しいのでパスしてもいいです。

作成中:なぜ芸名・題号が商標出願しずらいのか?

ただ、芸能人がなぜとるかというと、
誰か第三者(芸能事務所かもしれません)に取られては困るという
事なのかと思います。

なお、
写真などを勝手に使われた場合などは、パブリシティ権などもあるのですから。

(パブリシティ権とは、
写真・動画などをつかって商売でもうける権利と考えれば分かりやすいです。)

登録するならどの区分(類)か?

(1)一般論

芸能人として、どこを取っておかなければならないかというと、
実は、ぴったりとした分類は無いのです。

芸能活動については、
芸能人がする芸能活動そのもののサービスの区分は存在しておりません

その為、グッズの時と同じように、関係する部分を取っておく必要があります。

(2)芸能活動に一番近い区分(と)

芸能活動では、一番近い分類が以下になります。

区分 商品・役務の例 コメント
第41類 音楽の演奏、イベントの企画、ビデオの制作、芸能人の養成教育,音楽ライブコンサートの企画・運営又は開催,コンサート会場の提供,舞踊の教授,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画・運営又は開催,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,音響用又は映像用のスタジオの提供,写真の撮影,カメラの貸与,興行場の座席の手配,映像の上映,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,電子計算機端末及び通信を介して行う映画の上映及び演芸・演劇の上演又は音楽の演奏に関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,美術品の展示,書籍の制作,放送番組の制作における演出,娯楽の提供 芸能人でもし、商標を取るならここは必須だと思います。
しかし、芸能活動ではなく、イベンオの企画・運営等であります。
どちらかというと、イベント会社、芸能事務所等の活動であり、直接のものではないです。
それでも、ここが一番近いかと思います。
(3)次に良くある登録区分
区分 商品等の例 コメント
第9類 アプリ、プログラム、CD、DVD、音楽の電子ファイル、ゲームソフト、電子書籍、サングラススマートフォン用カバー,スマートフォン用ストラップ 等 コンピュータ系の場合必須です。今はスマートフォン関係にグッズなどが多く売れているため、需要が比較的大きいです。
第16類
シール、マグネット、印刷物(カード、ポストカードetc),文房具類,写真、楽譜、書籍
印刷物の場合に、必要があるかといわれると微妙ですが、取っておいた方がいい場合が多いと思います。
第14類 飾品(アクセサリーなど)、キーホルダー、バッジ、メダル、時計、装身具等 貴金属のアクセサリなどの小物もキャラクターグッズの対象であることが多いです。
(4)その他の関係する可能性がある登録区分
区分 商品等の例 コメント
第5類 サプリメント サプリメントが必要ということは少ないかと思いますが、一応入れておきます。
第18類 かばん類,袋物等 かばんや、ポーチ等にキャラクタグッズがついている場合も多いのでその時には、使われます。
第20類 クッション、まくら、プラスチック製包装容器(お弁当箱等)、うちわ、手鏡等  
第21類 マグカップ、歯ブラシ、ヘアブラシ、食器等  
第24類 布製身の回り品(タオル,ハンカチ)等 タオルハンカチも多くあります。
第25類 服、靴、帽子等 服・靴も多いです。
第26類 頭飾品、ワッペン、ブローチ、衣装用バッジ等 バッジなども多いです。
第28類 おもちゃ等 おもちゃも多いかと思います。
第30類 お菓子、コーヒー、お茶、パン等 お菓子にキャラクタがついていることも多いのです。
第32類 清涼飲料、ビール党 なおその他の酒は33類
第35類 各商品の小売(芸能グッズや) ただ、あくまで小売業なので、商品自体にその芸能人の名前を付けて売るという場合には本来的に合致しません。

 

芸能人のキャラクター、ロゴなどについて

この場合には、キャラクターとほぼ一緒です。
その為、このページの考え方と、キャラクターと商標権
の両方を考えればいいです。

もっとも、このページと、上記の「キャラクターと商標権」は、ほとんど変わりがないので、
このページだけでも十分です。

広告業(35類)について

ユーチューバーの場合には、広告業ということもできるかと思いますが、
芸能人の場合、広告業ということもできますが、やはり少し異なるかもしれません。

この広告業よりは、下記の娯楽の提供の方が近いかなと思います。

娯楽の提供(41類)について

やはり、娯楽の提供が一番近いかもしれません。

 

16類についての検討

16類は、「シール、マグネット、印刷物(カード、ポストカードetc),文房具類,写真、楽譜、書籍等」です。

これらについても、取っておいた方がいいです。

特に、芸名がついた各商品がシリーズのように出る場合はとっておいた方が、
いろいろと安全です。

訴訟でもこれらについて、商標がついていますという状態で争えるので、
大変ありがたいと思っています。

ただ、シリーズとして出さない場合は必要性は下がると思います。

商標全般については、↓こちらのページです。

安いが全て!:激安・格安で商標申請・商標出願を受ける特許事務所(商標事務所)

©植村国際特許事務祖 所長 弁理士 植村貴昭

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