なぜ芸名・題名(題号)・タイトルが商標出願しずらいのか?
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
なぜ芸名・題名(題号)が商標出願しずらいのか?
芸名・題名の本質
(1)芸名・題名は自他商品の識別のためのものではない
芸名も題名も商品等(サービスが含まれるので、「商品等」といいます)自他商品の識別のためのものではないのです。
確かに、芸名も題名も他の芸人や、他の作品などと区別するために使います。
しかし、その芸人は、唯一無二の物であるはずです。
題名もその題名であらわされる作品は、同じくその作品だけを表し唯一無二のもののはずです。
それに対して、商標は、同じような商品(多少、品質の良しあしはあるとして)同じような商品を、
複数の会社が出しているという状態で、その複数の会社がそれぞれ出している商品を区別するためにあります。
A社の商品を買おうとする消費者が、
間違ってB社の製品を買わないようにするという機能(=自他商品の識別力)が商標なのです。
そのように、商品の内容自体を表し他に表しようのないものは、
商標で守る必要は本来的にはないのです。
そのため、本来的には芸名や題名などは、
登録する必要はない!
です。
(2)ただ、現実にはあった方がいい場合も多い
以上が、芸名や題名の本質論からの結論であります。
しかし、大人の事情や、使いやすさから、登録しておいた方がいいという場合もあります。
特に、芸名は、芸名(芸能人名・ペンネーム)と商標権
に書いたように、取っておいた方がいい場合も多いです。
ただ、題名については、うーん、取る必要があるかというと、
もし、その本にだけ使いたいということであれば、不要かなぁと思います。
しかし、その本が、セミナー、協会、検定などほかの商売とつながっているのであれば、
その繋がっている商品(サービス)については、取得するということであればいいと思います。
他方、書籍自体の商標の取得ということであれば、16類の書籍が考えられます。
この16類の「書籍」においては、シリーズ物の場合を除いて取る必要性は、高くないです。
もっとも、この場合であっても、もし商標権を取らない場合には、不正競争防止法などだけでの戦いになってしまいますので、
その時の戦力の一つとして、商標を使いたいということであれば、商標での取得をしておくというのはよいと思います。
なお、
シリーズ物の統一して使っている題名部分、
雑誌など定期的に出していく書籍においては、取っておいた方がいい
です。
この場合には、前述のように内容を表しているというよりも、
その出所(会社=作者)を表しているといってもいからです。
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