危険です(注意)!マドリッドプロトコルで登録になったからと言って安心できない国一覧(アメリカ、フィリピン、メキシコ)
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
マドリッドプロトコルで登録になったからと言って安心できない国一覧(アメリカ、フィリピン、メキシコ)
弊所で分かっている国は以下の国です。
重要国 実務で使う可能性がある国となると以下の4か国かなと思います
アメリカ
継続使用を証言する最初の宣誓供述書は、米国特許商標庁(以下USPTOと言う。)による保護拡張の証明書発行の日(米国における登録の日)から起算して5年から6年の間に、その使用(あるいは正当な不使用)の裏付けるとなる証拠とともに、USPTOに対して提出されることが求められます。この起算日は、米国を指定した国際登録日や事後指定日ではありません。
さらなる宣誓供述書は、USPTOによる保護拡張の証明書発行の日から起算して10年、又はその日から6ヶ月の猶予期間内に追加手数料を支払って提出されなければなりません。また、それに続く宣誓供述書は、その後10年ごとに提出されなければなりません。
保護拡張の証明書発行の日(米国登録の日)
WIPO経由でUSPTOからくる最後の書類
「Statement indicating the goods and services for which protection of the mark is granted under Rule 18ter(2)(ii) : 2021/4 Gaz, 11.02.2021, US」等に
(下記の書類(Final dicision 又は grant of protectionでソートできる)
には、「Extention of protection」とあるので、これが保護拡張の証明書になります。
2枚目に、「regestered by the USPTO on」の後の日付が、保護拡張の証明書発行の日になると思います。
https://polaris-ip.com/service/trademark/madopro/uspto/ も参照のこと
フィリピン
フィリピン(国際登録から3年等、5年時、更新時、その後の5年おき)
(a)フィリピンを指定する国際登録日又は事後指定日から3年以内。3年の期間内に上記宣言の提出期間の延長を請求することにより、1回6月の延長が可能です。
(b)フィリピンにおいて保護された日(標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書共通規則第18規則の3(1)又は(2)に基づき、フィリピン官庁が国際事務局へ送付した保護認容声明に表示された日)を起算日とし、5年経過した後の1年以内。
(c)国際登録の更新日を起算日とし、5年経過した後の1年以内。
フィリピンにおいて保護された日
フィリピンから最後に来る
「Statement of grant of protection following a provisional refusal under Rule 18ter(2)(i) : 2020/47 Gaz, 03.12.2020, PH」
などには、「Date of Grant of Protection」との記載があるので、
この日付が、フィリピンにおいて保護された日になると思われます。
メキシコ
(a) メキシコにおいて保護された日から(標章の国際登録に関するマドリッド協定及び同協定議定書共通規則第18規則の3(1)又は(2)に基づき、WIPO国際事務局に対し、 IMPIが送付した保護認容声明に表示された日)、3年後を起算日とした3ヵ月以内、および
(b) WIPO国際事務局による国際登録の更新の通知から3カ月以内
メキシコにおいて保護された日
WIPOを通じてメキシコから最後に来る
「Statement of grant of protection made under Rule 18ter(1) : 2021/28 Gaz, 29.07.2021, MX」等に
「Fecha de emision」(=発行日) ですので、この日がメキシコの保護日となると思います。
スペイン語における月
1月 enero (エネロ)(短縮形:ene.)
2月 febrero (フェブレロ)(短縮形:feb., febr.)
3月 marzo (マルソ)(短縮形:mzo.)
4月 abril (アブリル)(短縮形:abr.)
5月 mayo (マヨ)(短縮形なし)
6月 junio (フニオ)(短縮形:jun.)
7月 julio (フリオ)(短縮形:jul.)
8月 agosto (アゴスト)(短縮形:ago.)
9月 septiembre (セプティエンブレ)(短縮形:sept.)
10月 octubre (オクトゥブレ)(短縮形:oct.)
11月 noviembre (ノビエンブレ)(短縮形:nov.)
12月 diciembre (ディシエンブレ)(短縮形:dic., dibre., dicbre.など)
念のため国(注意国:マドプロだけでなく直接出願も注意)
下記の国が指定国・直接出願がある際には注意
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- アルゼンチン(登録時 (使用宣誓書の提出)
- カンボジア(更新時)
- プエルトリコ
- ハイチ
- モザンビーク
- カーボベルテ
- アルジェリア
- ベリーズ
- エスワティニ [旧スワジランド] (使用宣誓書の提出+使用証拠の提出)
この辺りの国は、特に注意して、現地の事務所に管理を依頼しておいたほうがいいです。
インドネシアについて
特許庁のインドネシアについてのページのP62「8 登録後の注意事項 」の部分を読むと、
マドリッドプロトコル経由の場合には、出願時も更新時も使用証明等は不要である。
直接出願の際には、使用宣誓は必要です。
関連ページ
マドリッド協定議定書(Madrid Protocool) 関係条文
Rule 18 ter (1) 暫定拒絶理由通知を通知しないでそのまま登録査定の場合の通知。
Rule 18 ter (2) 暫定的拒絶理由通知を通知した後の登録査定である。
ttps://trademark.jp/report/trademark/country
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