コラム(各種情報)

第30回 中小企業とブランドについて。ブランドの本質は、経営者の理念と、それを従業員への徹底

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

中小企業とブランドについて
ブランドの本質は、経営者の理念と、それを従業員への徹底 

植村のコラム30

前回は、介護業界にロボットが必要ですという話をいたしました。
今回は、中小企業とブランドというテーマで記載させていただきたいと思っています。

 

ブランドというと、皆さんどんなことを想像されますか?

おそらく、ルイ・ヴィトンなどの衣料のトップブランドなどを想像されると思います。
製造業では、パナソニックなどを想像すると思います。

これらの大企業といわれる会社は大抵、強力なブランドを持っており、
たとえ同じ性能の製品であっても、
より容易にかつ高価で販売しているということは共通でしょう。

 

そのため、自社の商品もブランドがあれば、
より容易に販売ができ、より高い値段で売れるのにと
経営者であればお考えになると思います。

確かに、その通りです。
ただ、これらの大企業も今は高いブランドを有しておりますが、
最初からそのように高いブランド力を持っていたわけではないです。

長く所定の品質の製品を販売し続け、
大抵は高い広告費を使用してきた結果なのです。

そのため、これらをしないで、ブランドがほしいというのは、
何も努力しないでお金が欲しいといっているのに等しいのです。
そんなことが可能ではないことは容易にわかることだと思います。

 

では、中小企業にとってブランドは関係ないのかというとそうではないです。

王道として、中小企業も大企業になれば、当然ブランドになるでしょう。
ただ、このような当たり前のことを書いても誰も得をしませんので、
このコラムでは、
大企業になれない大多数の中小企業にとってのブランドというお話をさせて下さい。

 

中小企業にとってもブランドは存在します!

ただ、それは、大企業の様に大々的な広告宣伝という形ではないです。
大々的な広告宣伝は当然、中小企業には不可能です。

多少の宣伝広告では、ブランドの構築という点ではほとんど効果がありません。
では、中小企業においてブランドはどのように構築されるのでしょうか。

 

それは、経営者による従業員への教育・理念の発信から生まれます。

経営者が従業員に我社は他社と何が違うのか、
どのような価値をお客様に提供するのかを、
徹底的に教育・伝達することから生まれます。

その価値観にそって従業員が実践する、更には
営業等の際にお客様にお話しすることがブランドです。

 

そのように、経営者が何度も従業員に発信した言葉は、
従業員にも届くはずですし、それに経営者自身も縛られて、
その理念に反した商品・サービスは提供されず、一定の水準を維持するはずです。

また、きちっとした理念があれば、それをわずかかもしれませんが、
宣伝広告の際にも発信していくことになります。

それが、お客様に受け入れられて、信頼を勝ち取った結果がブランドなのです。

そして、大企業であっても、
当初はそのような理念の実践がブランドという結果を生んだにすぎないのです。

ブランド価値が出るまでのステップ

つまり、多くの方は、大企業の広告宣伝が極めて強烈なので、
ブランドが生じた後の結果(有名、高く売れる)しかみていません。

しかし、ブランドとは本来は、
①経営者の理念と、②それを従業員へ徹底すること が本質なのです。

以上から、中小企業にとってもブランドは存在するということになります。
むしろ、中小企業こそブランドが必要ということになります。

 

さて、先月に続いて、偉そうなことを書いてしまいました。

次回は、少し、柔らかい時事ネタを書こうと思っております。ではでは、また来月。

以上

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