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殺虫器②|特定技能 ビルクリーニング
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
捕虫器とは
捕虫器は電撃殺虫器と同様に、虫が敏感に感じ取る波長の光を利用して虫を誘引し、
粘着テープのカートリッジに虫を付着させる装置です。
誘虫ランプや、害虫を引き寄せるフェロモンを塗布した粘着式のテープを利用するなど、
誘虫のための仕組みが数多く取り入れられています。
電撃殺虫器との違いは、虫を駆除する際に音や光を放たないため、
食品工場やレストランにおいて、捕虫時に虫を飛散させたり、
カートリッジ交換に伴う作業者の不快感を大きく軽減できる利点があります。
粘着テープは多数の虫を捕まえると効果を失うため、定期的に交換する必要があります。
虫の量が多ければ交換頻度も高くなります。
交換に際して、捕まった虫が直接見えないよう視線を遮る配慮を施した製品もあり、
交換時に不快感を軽減させる配慮もなされています。
電撃殺虫器のような高電圧の発生が無いため、安全性が高く、
ランプ交換や粘着テープの交換も容易です。
電圧を変換する変圧器も無く、誘虫ランプのみの構成であるから消費電力は少なく済みます。
飲食店等で使用することを前提に、
各種メーカーがデザイン性を向上した製品を展開しています。
間接照明やブラケット照明のような外観の製品もありますが、
放つ光色は青であり、設置場所にはデザイン的配慮が必要です。
紫外線ランプの寿命と交換周期
紫外線ランプは、紫外線を放出させることを主目的としたランプです。
虫は紫外線に強く誘われる性質があるため、紫外線をカットすれば虫が寄りにくくなりますし
人間は紫外線を可視光としていないので、紫外線をカットしても明るさ感に変化はありません。
紫外線は、長時間人体に照射すると悪影響を及ぼすものとして知られています。
253.7nmの波長は「殺菌ランプ」の放出する波長として、
厨房や水槽などの殺菌に用いられています。
誘虫ランプとして用いる照明は、350nm程度の近紫外線であり、
長時間近接照射すると日焼けを起こす程度の紫外線を放出するランプが使われています。
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紫外線の放出量低下に注意を要する
紫外線を積極的に放出する専用のランプは、点灯時間が経過するごとに放出性能が低下します。
光束と共に紫外線量も低下しますが、光束と紫外線量の低下速度は同一でなく、
紫外線量の低下の方が早いため、光束が失われる「ランプ切れ」の前に
紫外線切れを起こすことになります。
人が可視光として認識出来る青い光がランプから放出されていても、
虫が誘引される不可視光である紫外線量が低下していれば、
誘虫効果も低下することになります。
長時間利用しているランプは特に顕著であり、
光が出ているのに虫があまり近寄らないという問題につながります。
捕虫器や電撃殺虫器に使用する紫外線ランプの寿命は、一般的に6ヶ月程度とされています。
人が点灯したランプを見ると、青い光を放たれているため、
まだ誘虫効果があると勘違いをする可能性があります。
可視光線が放たれていても、紫外線量のほとんどが失われた状態では、
誘虫効果があまり期待できません。
ランプが切れていないためといって、6ヶ月を超えて紫外線ランプを点灯させても、
捕虫性能が著しく低下しているため効果が薄く、電気代の無駄となる事も考えられます。
ランプの取り付けた日を記録し、点灯時間を管理することで適切な誘虫効果を維持出来ます。
電撃殺虫器の消費電力・電気代
電撃殺虫器の消費電力は、高電圧を発生させるための変圧器と内蔵している
誘虫用の蛍光灯によって発生します。
殺虫装置は安全性に配慮されているため、電圧は高くても電流が小さく、
消費電力も非常に小さい特徴があり、50~60W程度が一般的です。
電撃殺虫器1台の消費電力を50W(0.05kw)、
1kwh当たりの電気料金を24円として電気代を計算すると、
1時間当たりの電気料金は0・05kw×1ℎ×24円/kwh=1.2円です。
1日に24時間運転した場合でも、電気代は28.8円程度で、
それほど大きな数字ではありません。
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家庭用電撃殺虫器の消費電力・電気代
業務用の電撃殺虫器は、二次電圧7,000Vの高電圧で殺虫を行いますが、
家庭用の電撃殺虫器は捕虫する虫の量が業務用ほど多くなく、
かつ安全性を優先した仕様になっており、小さな製品が基本です。
電撃を与える部分の電圧は500~900V程度であり、業務用の1/10程度としています。
捕虫用の蛍光灯も業務用のような大きなサイズは不要で、
3~5Wの小さなランプが使われています。
消費電力はほとんどが蛍光ランプの点灯分になり、長時間使用しても電気代はわずかです。
電撃殺虫器1台の消費電力を5W(0.005kw)、
1kwh当たりの電気料金を24円として電気代を計算すると、
1時間当たりの電気料金は0.005kwh×1ℎ×24円/kwh=0.12円です。
1日に24時間運転したとしても、電気代は2.8円です。
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太陽電池式の電撃殺虫器
コンセントの電源が確保できない場所で使用するという方法があります。
太陽電池によって内蔵の蓄電池に充電を行い、
3~4時間程度の動作を行うというのが一般的です。
しかし、家庭用のソーラー電撃殺虫器は粗悪品も多く、
「充電しても光が弱い」「電撃が弱く殺虫しない」といった恐れがあるため、
十分な効果が発揮出来るか、確認が必要です。
太陽光による発電は、十分な日射が得られることを最低条件としており、
高木や植栽に覆われて影が発生している場合、
捕虫に必要な電力まで充電出来ない可能性があります。
樹木や植栽が多い場所では、木の枝や葉が影になることも考えられるため、
ソーラーパネル部分が影にならないような配置を検討しなければなりません。
次回は電撃殺虫器の設置計画と注意点を紹介します。