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「もしもへ」の備えは万全ですか?|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

「もしもへ」の備えは万全ですか?

9月の台風15号では千葉県内で多くの病院が停電。
非常用の自家発電機が稼働しました。

しかし、NHKの取材では、館山市や鋸南町などにある災害拠点病院を含む
少なくとも3つの病院で、停電が復旧する前に自家発電機が故障し
医療機器の一部が使えない状態になっていたことが分かりました。

病院によりますと、突然の運転停止や燃料漏れがあり
老朽化(又出た!)や長時間の使用で負荷がかかったことなどが原因
とのことです。

非常用電源は、法律で定期的な点検が義務付けられています。
負荷をかけて試運転する点検もありますが、運転時間については明確に決まっておらず、
今回の病院でも長時間正常に作動するかどうかは、確認できてなかったということです。

 

そもそも非常用発電機とは、
地震や災害の時に消火栓ポンプやスプリンクラーなど
消火活動をするための装置へ、電力を供給するための発電機であります。

病院や公共施設など、人が集まる場所で通常電源が停電した際に
非常用の電源となるため、万が一の事態に備えてバックアップするものなのです。

ですから、電気事業法に加え消防法の範囲内になり、
電気工作物の定期点検のほか、
毎年、年次点検と消防法の負荷試験が義務付けられています。

非常用発電機の点検は義務

非常用発電機について

現状ではガスタービンとディーゼルエンジンとの2パターンがあります。

割合はというと、ガスタービンが一割、残りの九割はディーゼルエンジンと
圧倒的にディーゼルエンジンの比率が勝っています。

ディーゼルエンジンはガスタービンに比べ、機械の耐久性が高く本体価格が安価です。

また流通が多いほうが、補修部品を市場から入手することが容易であり、
メーカー以外でも修理や整備が可能であるという利点があります。
(殆どメーカー任せでしたが)

ガスタービンはディーゼルエンジンに比べ騒音や振動は低いのですが、
本体価格が高く、燃料消費量はディーゼルエンジンの2倍です。
ですから発電機本体は小さいのですが、燃料タンクは大きくしなければならず
しかも修理等はメーカーしかできません。

ディーゼルエンジンの唯一のデメリットは騒音(振動も含め)です。

私の勤務していた事業所も御多分に洩れずディーゼルエンジンでしたが、
点検のためにエンジンを起動すると、
その騒音は“ハンパなく”大きく、また振動も伴います。

ですから来店中のお客様に地震かと思われ、
事業所の責任者にクレーム・問い合わせの電話が殺到し
即刻点検を中止せざるを得ない状況になったものです。

定期点検・負荷試験の要領はここでは省きますが、
点検自体が複雑で手間がかかるうえに難しいのと、“騒音”がネックとなり、
九割の事業所において点検が未実施で形骸化しているのが現状です。
(他にも事情があるようですが!)

幸いにも私の事業所では(私の勤務期間中に)停電することなく、
実際に非常用発電機が稼働することはありませんでした。

しかし、今回の千葉の病院のことを思えば、クレームに臆することなく
点検を実施することが「もしも」への備えでは必要なことではなかったかと思います。

まだまだ台風被害が癒えない全国被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

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