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アウトビルメンとしては|特定技能 ビルクリーニング
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 |
ビルメンとしては“アウト”です!
会社の清掃員のおっさん、
専務が乗ってるエレベーターに乗り込もうとしてしまう
という設定で、専務・社員(ワイさん)と清掃員の会話から
ワ イ:「ちょっと」
清掃員:「はい?」
ワ イ:「次のエレベーターで上がって貰える?」
清掃員:「はあ?」
専 務:「良いよ、もう」
ワ イ:「すいません、後で総務に言っておきますので」
専 務:「頼むね」
清掃員:「???」
こういうのはビルメンとしてどっちが正しいのでしょうか?
比較的小さなビルで発生するケースだと思います。
大きな事業所では、業務用のエレベーターの設置があるため、
社員と清掃員が一緒になる事は稀です。
また、日常清掃は早朝に実施するので、社員が出勤する前に終了してしまいます。
お客様用・従業員用エレベーターは、普通ビルメン・清掃員は使用禁止です。
(エスカレーターは点検を兼ねて、ビルメンの使用は許されているケースがあります。)
清掃員をディするコメントが多いのは当たり前です。
あまりにも常識がなさすぎます。マナー違反です。
「清掃員に専務とか関係ないから」という意見が有りましたが、それは違います。
清掃会社と取引先は対等の立場とは言え、あくまでも、“お取引様”の専務です。
明らかに、ビルメンとしては有り得ない“受け答え”ではあります。
ただ、「清掃業者に対して支払う委託費の原資、分かってんのか?
入居してる業者の賃料とかは共益費だぞ、金払って仕事してもらってんだから、
別に感謝もクソもないやろ!」という意見や、
社員(ワイさん)の清掃員を見下した態度、本当に“無い”ですね!
“職業に貴賤無し”と、綺麗ごとを言うつもりも、
ヒューマニズムを振りかざす気も毛頭も有りません。
世の中には間違った平等意識が蔓延していると思います。
(このケースの清掃員の立場から)
社会貢献にならない職業は無いとはいえ、職業によって社会貢献の度合いが違います。
平等なのは職業選択の自由があり、社会貢献度の高い職業でも社会貢献度の低い職業でも、
誰もが希望の職業を目指せるという意味では平等なのだと思います。
(実際には家庭環境や経済状況などによって平等とは言いがたいのですが)。
職業に就いた後に「どんな職業でも社会貢献になっているのは一緒だ。
だから職業に貴賤無し」というのは、おかしい事だと思います。
医師とパチンコ店の店員、本当に社会貢献度が平等だと思っているわけはないと思います。
医師がいなければケガも病気も治らなくなり、助かる命も助かりません。
しかし,パチンコ店がなくなって困ることは、日常の楽しみが一つ減った位のことでしょう。
少なくとも,医師がいなくなる方が、パチンコ店の店員がいなくなるより、
困る人が圧倒的に多いはずです。
どんな職業でも社会貢献になっているのは一緒だとしても
(これもちょっと怪しいけれど?)
職業によって社会貢献の度合いが違うのは紛れもない事実です。
「医師だって医療ミスを誤魔化す人がいるじゃん。
だから職業に貴賤があるのではなく、個人の中に貴賤があるのです」
というのもおかしいことです。
この場合は「貴い職業に就いている人が、悪いことをした」ということであって、
医師とパチンコ店の店員が職業的に平等であるということでは無いと思います。
もちろん良い人格のパチンコ店店員、悪い人格の医師も沢山いるでしょう。
(給料・資格取得の難易度などの観点から問題にしているわけでは有りません)
人間として平等であるかは別問題です。
しかし、医師とパチンコ店の店員を職業的に同等であると見なす方が、
よっぽど不公平だと思います。
仮に、賤しい職業はないのだから職業に貴賤は無いとしても、確実に上下はあります。
学校で教わった建て前を疑わずに鵜吞みにし、信じ続けていたいから、
無理やり思い込もうとしているように思えます。
しかしながら、このケースのように、他者に対して年老いた者
(清掃員は年配者が多い。「高度成長期」を支えて来た人)に対して、
思いやりの心も無くなった!
日本人はいつからこうなってしまったんでしょう。