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ネジやボルト、ビス|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

ネジやボルト、ビス

どれも同じような言葉ですがそれらの違いについてご存知でしょうか。
今回は、その違いと種類、それぞれの特徴や用途、形状について紹介いたします。

ネジ、ボルト、ビスの違い

ネジとは

ネジとは、一般的にドライバーで締める”なべねじ”や”皿ネジ”、
六角形の頭が付いている”六角ボルト”を想像する方が、ほとんどだと思います。

実は、ネジは”螺旋(らせん)状”の溝のある物の総称であり、
大きく分けると外側(側面)にらせん状の溝が入った“雄ねじ”
内側(内面)にらせん状の溝が入った“雌ねじ”に分類することができます。

ボルトとは

ボルトとは、
ネジの1つで 外側(側面)にらせん状の溝が入った”雄ねじ”のことを言います。

また、通常8㎜より大きく、頭が四角もしくは六角形の形をしている物を言います。
(※8㎜より径が小さいボルトも多数存在します。)

ビスとは

ビスとは、一般的に小さな雄ねじ”小ねじ”のことを言います。

ビス(小ねじ)は通常1~8㎜の比較的”小さな径の雄ねじ“で、
頭に直線の溝もしくは十字の穴があり、ドライバーで締め付けることができる物を言います。
(※8㎜より径が大きいビス(小ねじ)も存在します。)

また、木ビスやコースレッド、ドリルビスなど、雌ねじを必要とせず、
対象物に直接打ち込めるネジをビスと呼ぶことが一般的です。

ネジの分類

ボルト、ビス(小ねじ)の種類と用途、形状

ボルト

○六角ボルト

頭の部分が正六角形になったボルトでボルトと略して呼ばれることが多い種類です。
六角形の部分をスパナや六角レンチで締め付けて使われます。
用途は様々で工業用から建築用まで、
最も多くのシチュエーションで使用されているネジと言えます。

○座金組込六角ボルト

座金組込六角ボルトは、ワッシャー(座金)が付いた六角ボルトです。
六角が付かない座金組込ボルトも同じものを言うことが多くあります。

丸ワッシャーとスプリングワッシャーが取れないように組み込んであり、
セットする手間が省けるのが特徴です。

○六角穴付ボルト・キャップボルト

六角穴付ボルト・キャップボルトは、円筒形の頭に六角形の穴が開いているボルトです。
一般的には六角穴付ボルトもしくは、キャップボルトと呼ばれますが、
キャップスクリューやソケットスクリューと呼ばれることもあります。

締め付けや取り外しには六角レンチが用いられます。
六角ボルトの締め付けには、レンチやスパナが用いられ、
スペースを必要としない六角レンチで締め付けが出来るため、
スペースの少ない機械や装置、電気部品の内側に多く使われます。

最近では、高い締め付け力があるメリットを活かすため、
外側にも多く使用されるようになりました。

○ボタンキャップボルト

ボタンキャップボルト(六角穴付ボタンボルト・ボタンボルト)は、
キャップボルトの頭の部分が丸く、低くできているボルトです。

頭部を目立たせたくないところに多く使用されています。
頭が丸く、締め付けも強くできるため、人が触る可能性がある機械の外側に多く使用されます。

○皿キャップボルト

皿キャップボルト(六角穴付皿ボルト)は、
頭が皿のように平らで、六角形の穴が開いているボルトです。

キャップボルトやボタンキャップボルトのように六角レンチで締め付け、取り外しを行います。
皿ねじと同じように目立たせたくない場所や、
表面に出っ張りを出したくない場所に使われます。
他にも蝶番の取り付けにも多く使われます。

○アイボルト

アイボルトは、頭が輪状になっているボルトです。
穴にワイヤーロープやスリングなどを通して吊り上げるために使用します。

機械や設備など、重量がある物の場合、設置や移動の際には、
アイボルトを活用することが多くあります。

○蝶ボルト(ウイングボルト、蝶ねじ)

蝶ボルトは、頭に蝶のような取手の付いたボルトです。
ウイングボルトや蝶ねじと呼ばれることもあります。

工具を使わなくても手で締め付けることが可能で、
容易に締めたり緩めたりしたい箇所に使用されます。

○Uボルト

Uボルトは、U字の形状で先端に雄ねじが切られているボルトです。
配管を固定するために使用されます。
呼び径や規格は、固定する配管に合わせて選定する必要があります。

○アジャストボルト(アジャスターボルト)

アジャストボルト(アジャスターボルト)は、先端に回転する受皿を付けたボルトで、
地面に設置する足として利用されます。
設備や機械をはじめ、棚やラック、作業台など、あらゆるものに使用されます。
アジャストボルトによって高さの調整が可能です。

○六角穴付止めねじ・イモねじ・ホーローセット

六角穴付き止めねじ(イモねじ、ホーローセット)は、
頭部がネジ部と同じ大きさになっており、中に締め付け、
緩め用の六角の穴が付いたボルト・ねじです。
イモねじやホーローセットとも呼ばれます。

機械要素部品として使用されることが多く、シャフトの固定などに使用されます。
頭が無いため、回転部や駆動部など安全面を考慮して六角穴付き止めねじを使用されます。

○アンカーボルト

アンカーボルトは、コンクリートに埋め込み雄ねじを、地面より出すボルトです。
雄ねじを機械や設備などを地面のコンクリートに固定するために利用されます。

○羽子板ボルト

羽子板ボルトは、頭が羽子板のように板状になっているボルトです。
建物用の補強金物の1つで、梁が外れて脱落するのを防ぐために使用されます。

○スタッドボルト

スタッドボルトは、両端が雄ねじになったボルトです。
前ネジのスタッドボルトや両端のみが雄ねじのスタッドボルトがあります。

ビス・小ねじの種類と用途、形状

○皿小ねじ

皿小ねじは、頭が皿状になった小ねじです。
皿小ねじ、サラ、皿ねじ、皿ビスとも呼ばれます。

締め付ける対象物を皿ねじの頭部の形状に合わせて加工することで、
表面に頭が出ずに、部材を固定することができます。

○ナベねじ(なべ小ねじ)

ナベねじ(なべ小ねじ)は頭が鍋の底に似た形状をしたネジで、
一般的にネジと言われる場合は、このナベねじを指すことがほとんどです。
用途は、何にでも使えるため決まっておらず、一番汎用的なねじです。

○トラス小ねじ

トラス小ねじは、ナベねじによく似ていますが、ナベねじに比べて頭の高さが低く、
頭の径が大きいねじのことを言います。
頭が低く平べったいため、外観を気にするような箇所で使用されることが多くあります。

○バインド小ねじ

バインド小ねじは、ナベねじやトラス小ねじと同じように頭が丸いねじです。
ナベねじより頭の径が大きく、トラス小ねじより小さい、
なべねじとトラス小ねじの中間のような頭の形状です。

○座金組込ねじ

座金組込ねじは、その名の通り座金(ワッシャー)が一体となったねじです。

座金(ワッシャー)を入れる手間がなくなり、外れて無くしてしまうことがなくなるため、
作業効率を上げることが出来ます。
座金(ワッシャー)の付け忘れも防止出来ます。

○タッピングねじ

タッピングねじは、雌ねじが切られていない対象物にも固定出来るねじです。
木材や樹脂など柔らかい部材が対象物の場合、直接ねじ込むことが可能で、
ドリルの下穴だけ開けて(雌ねじを切らずに)ねじ込むこともあります。

○六角タッピングねじ

六角タッピングねじは、その名の通り、頭が六角になったタッピングねじです。

○ドリルビス

ドリルビスは、その名の通り、先端がドリルになっているねじ・ビスです。
下穴を開ける必要がなく、直接部材にねじ込むことが出来ます。

○木ねじ

木ねじは、木材の締結に用いられる専用ビスです。
タッピングねじとは違い、全長の3割ほどはネジが切られていません。

間に挟み込んだ部材にネジ山がかからないため、
部材と部材が密着して、締め付ける力が強まります。

○内装ビス

内装ビスは、木ねじと似ているビスです。
石膏ボード、床板、プラスチック板、化粧タイルなど、
軟質材から硬質材の締め付けにも最適で、万能な建築用のねじです。

 

いかがでしたか?

ボルト、ビス、ねじの3種類の違いは、分かっていただけましたか?

用途や対象物、締め付けの強度がどの程度必要か?
など条件によって適した物を選び、実際の作業に生かして下さい。

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